イギリス次期首相は…決選投票へ 前財務相と現外相が火花
イギリスのジョンソン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選挙は20日、スナク前財務相とトラス外相の2人が決選投票に進むことが決まりました。2人はどちらも40代。勝利すれば、スナク氏はイギリス初のインド系の首相に、トラス氏はイギリスで3人目の女性首相となります。
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20日、ジョンソン首相は議会で自身の任期を振り返りました。
ジョンソン首相
「この国をパンデミック(世界的大流行)から救い、ウクライナを蛮行から救う手伝いをした。これで十分だろう」
演説の最後には――
ジョンソン首相
「皆に感謝したい」
「アスタ ラ ビスタ(また会おうぜ)ベイビー」
映画「ターミネーター2」のセリフを引用し、拍手の中、議場を去りました。
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そのジョンソン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選挙は20日、候補者を2人に絞り込む投票が行われ、スナク前財務相(42)とトラス外相(46)が決選投票に進むことが決まりました。2人のうちどちらかが、次の党首、すなわち次の首相に就任します。
スナク前財務相(12日)
「信頼を回復し経済を立て直し、国を再び団結させるために、私はすべてをささげる覚悟だ」
インド系の両親を持つスナク前財務相は、大手金融機関のゴールドマン・サックス(=GS)から政界に転身し、39歳の若さでジョンソン内閣の財務相に抜擢されました。
新型コロナウイルスが流行した際には、自らウエーターを務めて飲食店支援をアピール。ジョンソン政権で不祥事が相次ぐと、財務相を辞任し、ジョンソン首相退陣のきっかけを作りました。
対するトラス外相は、キャメロン政権やメイ政権で閣僚を歴任しました。
トラス外相(去年12月)
「私たちは、ロシアによるウクライナへのいかなる侵略も、厳しい代償を伴う結果をもたらすと明確にしてきた」
ジョンソン政権では、外相としてウクライナ危機の対応にあたりました。
2人はどちらも40代。勝利すれば、スナク氏はイギリス初のインド系の首相に、トラス氏はイギリスで3人目の女性首相となります。
この対決に、イギリスの有権者は――
スナク氏の支持者
「スナク氏を支持します。新型コロナにうまく対処したし、とても誠実に見える」
トラス氏の支持者
「トラス氏を支持します。ウクライナでの戦争に反対する確固たる姿勢を示したから」
新党首は全国の保守党員による投票を経て決まりますが、直近の世論調査(18日~19日のYouGov調査)では、トラス氏が大きくリードしています。注目の結果は9月5日に明らかになります。