空爆で街が一変 「市街戦」激化の恐れガザ市から「退避」決断の市民は…【バンキシャ!】
さらに緊迫するガザ情勢。イスラエル軍はすでにパレスチナ自治区ガザ市の市街地に進入していることを明らかにした。数日前までガザ市に住み、イタリア国籍の夫とともにガザ地区を離れた女性が、いま現地で起きていることを語った。【バンキシャ!】
バンキシャが話を聞いたのは、ガザ市に住んでいたアマル カッヤールさん(31)。ガザ市で医療支援などを行うNGOで働いていたが、2日にガザ地区を出て、いまはイタリアにいるという。
外国籍を持つ人などの退避が認められたことを受け、イタリア国籍の夫とともにガザを離れたアマルさん。現地ではどのように過ごしていたのか…。
ガザ市に住んでいたアマルさん
「(空爆の音)大丈夫…」
イスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が始まった直後に、ガザ市でアマルさんの夫が撮影した映像だ。
アマルさん
「(別の日には)隣のビルが爆撃されると通知されたので(自宅から)避難しないといけなくなりました」
空爆が行われる前に、イスラエル側から(空爆の)通知がきたこともあったという。
アマルさん
「ほんの数分で持ち出せるものを持って逃げなければなりません。家や今までの生活をつくり上げてきたものを残して、数秒で逃げるんです。いま着ている服のまま、家族とともに安全だと考えられる場所に逃げます」
一時的に国連施設に避難したというアマルさん。避難所の外でも急ごしらえのテントで人々が過ごしていた。中には幼い子どもの姿もあった。
アマルさん
「私たちの避難場所を見てください。段ボール、ビニール袋…。目も当てられない状況なのに、子どもたちが遊んで笑っている…。(子どもに)状況はどう?」
子ども
「よくないんだ」
避難して数日後には、ライフラインが使えなくなったという。アマルさんが提供してくれた動画には、夫が蛇口をひねる様子が。水は一切出なかった。
アマルさん
「電気、水、携帯の電波、インターネットが使えなくなりました。世界から完全に切り離されました」
さらに、アマルさんの同僚が数日前に撮影した動画に映っていたのは、砲撃が行われた直後だという難民キャンプだ。
男性
「ジャバリア難民キャンプ。人口密度が高い場所なんだ。警告せず、爆撃された。亡くなった人が多い、ケガ人もだ」
ガザ地区を離れ、安全な場所に避難したアマルさんは何を思うのか――。
アマルさん
「家族、友人、同僚を残してきました。私は恵まれていることに夫がイタリア人なので、ガザの人々を残して出てきました。ガザを出たのが恥ずかしい、罪の意識を感じています。そもそもこういったことは起こるべきではありません。誰もこんな思いをすべきではないのです。友達と外でバーベキューをしたりする。それが私の暮らしでした。ささやかな楽しみでした。私たちの故郷で私たちの暮らしを続けたかったです。避難したくはなかったです」
イタリアに来てから、ガザ地区にいる家族とは連絡が取れていないというアマルさんは、いまのやるせない思いを語ってくれた。
*11月5日放送『真相報道バンキシャ!』より