5月9日に「勝利宣言」か プーチン氏、甲状腺がんの診察“4年で35回”健康不安説も
ウクライナへの軍事侵攻が長引く中、ロシア軍の士気の低下を指摘する声も出ています。一方で、プーチン大統領は、来月9日の「戦勝記念日」に一方的に勝利宣言をするとの分析も。また、69歳のプーチン大統領に健康不安説が浮上しています。
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ロシアの国営テレビが3日に公開した映像には、住宅の中から狙いを定める兵士や、街中を走る「Z」の文字の戦車が映っていました。南東部・マリウポリでウクライナ軍と戦うロシア軍の部隊です。
アメリカのCNNテレビが、アメリカの情報当局者の話として伝えたのは、プーチン大統領がウクライナ東部の制圧に焦点を当てるとの見方です。ロシア軍が苦戦する中、勝利をアピールする必要に迫られていて、“5月9日”が勝利宣言の目標だとしています。
5月9日は、ロシアの「戦勝記念日」。第二次世界大戦でドイツに勝利したことを祝う日です。“勝利宣言を戦勝記念日に”と考えているのでしょうか。
そのプーチン大統領は、支持率が急上昇していることが明らかになりました。ロシアの独立系の世論調査機関「レバダセンター」によると、先月24~30日にロシア国内の18歳以上1632人に行った調査では、去年11月には63%にまで落ち込んでいた支持率が83%に上がり、「支持しない」の15%を大幅に上回ったというのです。
一方で、ロシア軍の士気の低下を指摘する声も出ています。イギリスの情報機関のトップは「プーチン大統領がロシア軍の能力を大きく見誤った」とした上で――
イギリス政府通信本部 フレミング長官(先月31日)
「ロシア兵は武器も足りず、士気も下がっている。命令に背いたり、自国軍の装備を破壊したり、誤って撃つなどしている。プーチン氏は実際に何が起きていて、自らの判断がいかに間違っていたかは、自分でも十分に分かっているはずだ」
また、69歳のプーチン大統領自身に健康不安説が浮上。ロシアの独立系メディアによると、プーチン大統領は、別荘で甲状腺がんの医師の診察を受けていて、その回数は4年間で35回に上るといいます。
厳しい言論統制が続くロシア国内では、2日、「戦争反対」と掲げた男性ら反戦デモに参加した人々が当局に連行される様子も見られました。ロシアの人権団体によると、軍事侵攻開始以降、拘束された人数は1万5000人以上に上っています。
(4月4日放送『news zero』より)