マリウポリ郊外に新たな集団墓地とみられる穴
ロシア軍がウクライナ東部などへ攻勢を強める中、ゼレンスキー大統領は22日徹底抗戦の姿勢を改めて示しました。また、南東部マリウポリの郊外では新たな集団墓地とみられる穴が掘られていることがわかりました。
ウクライナ北東部にある第二の都市ハルキウでは22日もロシア軍の激しい攻撃にさらされました。
ロイター通信によりますと、市内では集合住宅や結婚式場などが攻撃されたほか、郊外ではミサイルの攻撃により1人が死亡したということです。
ロシア国防省の報道官は22日、すでに制圧を宣言している南東部マリウポリについて「状況は正常化した」と主張し、ウクライナ側の兵士や多くの市民らがとどまっているとみられる製鉄所は、「確実に封鎖されている」としています。
一方で、ウクライナ側は「抵抗を続けている」と制圧を否定しています。
こうした中、ロシア軍の高官は、軍事作戦の第2段階の目標として東部地域に加えて南部も完全に制圧すると明らかにしました。すでに実効支配しているクリミアと東部の一体化を目指すということです。
これについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は徹底抗戦の姿勢を改めて示しました。
ゼレンスキー大統領「ウクライナ軍は東部と南部でロシアの侵略者たちの攻撃を食い止めている。イジューム方面、ドンバス地方、南西部、マリウポリ、ヘルソン州はこの戦争とウクライナの未来を決める場所となる」
一方、3月下旬に、マリウポリの東にある村の一角に共同墓地とみられる穴が新たに掘られました。穴の長さはおよそ40メートルで、今月15日に撮影された衛星画像では、掘り起こされた範囲が拡大しています。
集団墓地とみられる穴はほかにも見つかっていて、地元当局は、ロシア軍が「市民の遺体を隠そうとしている」と非難していました。
こうした中、国連のグテーレス事務総長が、26日にロシアによるウクライナ侵攻後初めて、モスクワを訪問し、プーチン大統領と会談することになりました。
事務総長が目指す人道目的の停戦合意などについて、協議するものとみられます。