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【秋田県知事選挙特集③】少子化で定員割れも…高校が生き残るために必要なこととは 特色あるカリキュラムで県外から生徒が集まる学校も

2025年3月25日 8:43
【秋田県知事選挙特集③】少子化で定員割れも…高校が生き残るために必要なこととは 特色あるカリキュラムで県外から生徒が集まる学校も

県知事選挙に向けて、秋田が抱える様々な課題について考える特集、26日は高校教育についてです。

少子化を背景に、県内では定員割れしている公立高校が数多くあります。

その一方で、毎年のように県外から生徒が入学してくる高校もあって、統合や再編が進む中、いかに特色ある教育を提供し、PRしていくかがその行方を占う鍵になっています。

現状を取材しました。

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

今月13日。

県内各地で、公立高校入試、1次募集の合格発表が行われました。

志願倍率が1.15倍だった秋田市の秋田中央高校でも、歓喜の声が響き渡りました。

合格した生徒
「最高ですね。陸上競技を頑張りたいです」
「友達たくさん作ります」
「勉強を頑張ります」

1次募集では、県全体で5450人に、一足早い春の便りが届きました。

■生徒数の減少が続く高校 野球部員はたった5人

このうち、志願倍率が0.19倍だった五城目高校は、普通科80人の募集定員に対し、志願した人が15人。

合格は13人でした。

2次募集で67人を募りましたが、志願者は一人もいませんでした。

去年の入学は、20人。

生徒の数は、減少の一途をたどっています。

卒業生の中には、オリンピックのメダリストもいる、五城目高校。

生徒数の減少は、部活動にも影響を与えています。

去年の夏に、6人の3年生が引退した、硬式野球部です。

現在、部員の数は5人。

試合をするために必要な9人に届いていません。

去年の秋からは、約70キロ離れたところにある由利本荘市の西目高校と連合チームを組んで、試合に臨んでいます。

五城目高校が単独でチームを組めない事態は、今回が初めてです。

伊藤輝 主将
「1か所にまとまるノックしかできない感じです。人数が少ない中でも、個人のスキルを上げていって、夏の大会では一勝でも多くしたいなと思います」

制約がある中での練習も、監督は前向きに捉えています。

牧野嘉訓 監督
「指導いただく方々も、私以外にもう1つのチームでもたくさん学べるわけなので、練習試合も様々なところに行くので、私はすごくいい経験になっているのではないかというふうに思います」

少人数だからこそできる練習のスタイル。

チームの模索は続いています。

■毎年のように県外から生徒が入学 特色あるカリキュラム

一方、毎年のように県外から生徒が入学してくる高校が、秋田市にあります。

創立は1928年、昭和3年で、5年前に共学になった、秋田令和高校。

秋田和洋女子が前身の、私立の学校です。

この春は、190人ほどが入学する予定の令和高校。

進学、保育、ビジネスなど、6つのコースが設けられています。

中でも、特色あるカリキュラムで成果をあげているのが、5年前の共学化とともに設置された、アスリートコースです。

飾ってあるトロフィーは、すべて今年度のもの。

近年は、県外からも選手が集まってきています。

岩谷宏 教頭
「いままで女子しかなかったんだけども、男子の活躍も目覚ましくて、インターハイや全国大会を含めて、多く出場することができて、効果は目に見えて出てきていると思います」

1年生から設けられているアスリートコースのクラスは、午前の授業が終わり、昼休みが始まると…。

「皆さんは何部ですか?」
「バレーです」

週2日、午後からは部活動が選択科目の授業となり、選手たちは練習へ。

より多くの練習時間を確保することで、レベルアップにつなげています。

中には、サッカー・ブラウブリッツ秋田の育成組織・U18所属の選手たちも。

「午後はどうするの?」
岩谷怜桜 選手
「寮に行って映像見たりです。そのあとは練習に行って」

ブラウブリッツ秋田U18から、今シーズン、トップチームに昇格した、新潟県出身の堀内智葵選手も、このアスリートコースの出身です。

学校では、チームと連携し、育成組織の選手たちをサポートしています。

ソフトテニス部1年生の櫻橋仁力選手は、青森県六戸町出身。

アスリートコースの制度にひかれて、秋田の令和高校を選びました。

櫻橋仁力 選手
「自分の課題とかにも向き合える時間が増えるので、時間が増えるのはいいことだと思います」

取材した日は、由利本荘市岩城で練習を行った、ソフトテニス部。

利用客が少ない、平日昼の時間帯の公共施設を確保できるのも、アスリートコースのメリットです。

中学時代よりも大きな大会で成績を残せるようになってきているという、櫻橋選手。

東北レベルの大会でも、ベスト4まで勝ち上がれるようになってきました。

櫻橋 選手
「自分が好きなスポーツにこれだけ打ち込めるのはいいことだと思います」

そのほかの部活動でも、県外から生徒が集まるだけでなく、県内の生徒を引き留める効果も。

生徒たちの興味に特化した選択肢を示すことが、学校側にとっても選ばれることにつながります。

人口減少とともに、県内では、公立高校の統合や再編が加速していく見込みです。

公立と私立では、制度が異なる点もありますが、それぞれが、特色を生かした学科の創設などを通して、魅力ある教育を提供し、PRしていくことが求められています。

こうした県政課題などに対する各候補者の訴えやインタビュー、アンケートなどを、ABSのニュースサイトにまとめて公開しています。

最終更新日:2025年3月25日 10:48
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