人口減少続くふるさとを元気に!4つの高校がタッグ「ワクジマ生徒会」が商店街で“手作りフェス”
今月、愛媛県宇和島市の商店街で開かれた、あるイベント。仕掛けたのは、人口減少が続くふるさとを元気にしたいという高校生のグループです。高校の垣根を越えて、力を合わせて「自分たちのやりたいこと」をめざす挑戦を追いました。
クイズ大会に、お茶のおもてなし。そして、バンドの演奏。今月9日、宇和島市内で行われた「まちなか文化祭」、ワクジマフェス。「ワクワク」と「宇和島」を合わせて名付けた、このイベント。仕掛けたのは…
ワクジマ生徒会:
「私たち、ワクジマ生徒会です」
宇和島周辺の4つの高校から集まった生徒、およそ60人で作るワクジマ生徒会です!宇和島東高校の保岡優奈さん、宇和島南中等教育学校の土居悠真さんの2人が共同代表を務めます。
保岡さん:
「『宇和島に、いつも新しいワクワクを』というテーマで活動している団体で、少子高齢化が進んでいるなかで、宇和島をもっと楽しいまちにしたいという思いもある」
おととし12月に発足して以来、海岸の清掃や農作物の収穫、防災イベントなどに参加してきました。
ワクジマ生徒会 西村瑳希菜さん:
「学生が、ワイワイ盛り上がれる学祭じゃないけど、学生がワーっとなる…もっと若者…生きてる感じを出したい」
「学校とかと少し違って、自分たちの意欲で全部進んでいけるので、それが一番いいなと思います」
ワクジマ生徒会 村上裕菜さん:
「地元への恩返しができたらいいなと思って、やってます」
自分たちのやりたいことで街を元気に。それが、中心商店街を舞台にしたワクジマフェスです!フェス本番に向け、9か月前から準備を進めてきたワクジマ生徒会のメンバー。
茶道担当:
「売り切れ御免みたいな感じで50個ぐらいに設定して」
書道担当:
「どういう感じのイメージ?墨をのせるとなったら」
この日は、会場となる中心商店街へ。そこで目にしたのは…
保岡さん:
「ここは…閉まっとる?いつも…」
「ああ、ここも、テナント案内」
宇和島市の中心商店街の空き店舗率は、去年4月の時点で35.0%。20年でおよそ20ポイント悪化しました。
保岡さん:
「よろしくお願いします」
井上勝宏社長:
「こちらこそよろしくお願いします」
保岡さん:
「昔の宇和島の商店街はどんな感じだったんですか?」
井上さん:
「僕らがちょうどみなさんみたいな高校生の頃って一番賑やかだったのかなあ…」
県の試算によると、2060年の人口が78万人あまりに減少する愛媛県。宇和島市では、2020年におよそ7万人だった人口が、6割以上減って、2万5000人あまりになると予想されています。
ワクジマ生徒会 西田雅希さん:
「宇和島の商店街は、けっこうシャッターが多く下りてるっていうのが現状で、やっぱりさみしい…ワクジマフェスを通してまた、商店街に活気がもたらされて、商店街に活気がもたらされて、お店がたくさん入ってきたら人の交流も増えるし、ワクジマフェス通して元気づけたい」
ワクジマフェス当日の今月9日。開幕直前、ワクジマ生徒会のメンバーも最後の準備に余念がありません。
保岡さん:
「今から始まると思うとワクワクしますし、素晴らしいイベントにできるように頑張りたい」
司会:
「みなさん、こんにちは。みなさんに全力でワクワクを届けます」
ついに開幕した、高校生によるまちなか文化祭、「ワクジマフェス」!
生徒たち:
「第三回ワクジマフェス、いくぞー」「オー」
商店街に設けられた茶席では、生徒たちがお客さんをおもてなし。抹茶と2種類の和菓子は、どちらも商店街から仕入れました。
仕事で鹿児島から:
「うまい。地域を盛り上げるのにはすごくいいんじゃないかと思う」
子ども:
「とてもおいしいです」
会場ではほかにも…宇和島東高校津島分校と、帝京第五高校によるチアリーディングに…写真パネルの展示も。
女性:
「色々工夫されてて、一つ一つがちゃんと手作り感がある。思いを聞きたくなるのがすごくいいなと思いました」
中学生:
「自分も今中学生で生徒会に関わっているので、地域を盛り上げるためにもこういうことができたらいいなと思います。ワクジマ生徒会に入ってみたいです」
普段は静かな商店街は、大いににぎわいました!
商店街でスイーツ販売 山口愛莉さん:
「自分たちの時にはこういう部活とかもないし、活動とかもないから、すごいなと思います。宇和島の人たちが出てきて集まってっていう場所になっていて、すごい相乗効果があって良かったと思います」
商店街にもプラスの効果を生み出した、ワクジマフェス。生徒たちによるライブで幕を下ろしました。
ボーカリスト:
「いつも以上に、気持ちを届けられるように、意識して歌いました。みんな一体になって盛り上げて、まちごと活性化させている感じがすごい楽しかったです」
来場客:
「高校生が輪になってこういうイベント開いてくれたら、小さい子たちも来やすいと思います」
商店街の井上さん:
「人もたくさん出てきていただいているし、すごく商店街も活性されて、いいと思います」
無事イベントを終えた、ワクジマ生徒会の保岡さん。
保岡さん:
「ワクジマに青春を捧げて良かったなって、心から思いました。ワクジマを通して色々な人に出会えて、地元のいいところを知れて自分自身を成長させることができて、こんなに素敵な仲間と最後のフェスを成功させることができて、すごい嬉しいです」
未来を担う高校生たちの熱い思い…次回、6月の開催に向けた準備が、間もなく始まります!