「宮崎の味を引き継いで」ジャリパン発祥の店「ミカエル堂」復活オープンへ
「ジャリパン」発祥の店として知られる宮崎市のミカエル堂は去年、閉店しましたが、事業承継の手続きを経て14日、復活オープンすることになり、セレモニーが開かれました。
昭和初期に創業し、100年近い歴史があるミカエル堂。3代に渡り、経営が引き継がれてきましたが、去年3月、閉店しました。
(前店主 都成五男さん)
「建物もそうなんですけど、機械の老朽化がひどくてですね。もうこれ以上続けてもなかなか厳しいかもしれないと思い、3月いっぱいでやめた」
3代目の都成五男さんは、ミカエル堂の閉店を惜しむ声を多く耳にし、第三者に事業を承継することにしました。
引き継ぎ先を探すサイトに掲載し、全国から40件ほどの問い合わせがありました。
そんな都成さんがミカエル堂の引き継ぎ手として選んだのが、宮崎市出身で東京でウェブ制作の仕事をしていた大津伸詠さんです。
東京からUターンした大津さんは、宮崎市中央卸売市場の一角に店を構え、ミカエル堂の屋号とジャリパンのレシピを引き継ぎます。
(大津伸詠さん)
「私が小さいときに病院に行った帰りにミカエル堂さんのパンを買ってご褒美として食べていた。高校生の時に売店で食べていたパンだったので、思い出は深くあった」
レシピは引き継いでも、大津さんにとってパン作りは未知の世界。そこに寄り添ったのが都成さんでした。
(大津伸詠さん)
「パン作りの知識がないから話をすごく噛み砕いて教えていただきながら。都成さんもすごく大変だったんじゃないかな」
都成さんの伴走で、ミカエル堂はジャリパンの専門店として14日、オープンします。オープンを前に、13日、引き継ぎのセレモニーが開かれました。
セレモニーでは、都成さんが大津さんと作ったジャリパンを試食しました。
(都成五男さん)
「うまい、懐かしい味ですね。僕は感謝しかないですね。でも、パン屋さんは朝早かったり夏場体力を使う仕事なので大変だと思うんですけど、それを乗り越えて宮崎の味であるジャリパンをなんとか引き継いでいってもらいたい。その気持ちでいっぱいです」
(大津伸詠さん)
「ミカエル堂さんが100年ぐらい続いてきたパン屋さんでしたけども、私たちもそこから引き継いで100年先まで続いていけるように頑張っていきたいと思います」
3代続いたミカエル堂の思いをつなぎ、新たな歴史がスタートします。
ミカエル堂は14日、オープンし、ジャリパン4種類が販売されます。懐かしの味を楽しんでください。