再配達の負担を減らす…「置き配」ポイント付与制度を検討 物流業界「2024年問題」対策発表へ
政府は6日、物流業界で人手不足が深刻化する、いわゆる「2024年問題」への緊急対策を発表します。その柱の1つは、再配達を減らすため「置き配」にポイントを付与する制度です。時間外労働にもつながり、運送業者の大きな負担となっている再配達。その実態は――
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宅配ドライバーの平田さんに同行し、配達の様子を取材しました。
エアフォルク 平田祐三さん
「これが今日配送する荷物です」
運ぶ荷物は午前中だけで50個。時間との勝負です。1軒1軒、走って回りますが、ある集合住宅では、荷物を持ち帰りました。
エアフォルク 平田祐三さん
「不在でした。いらっしゃらなかったので不在票を入れて戻ってきました」
――午前中でも不在?
「全然全然、だいたい10時とか10時半ぐらいになると、徐々に徐々に在宅率が下がってきちゃうんで」
別の家は、時間指定をしていたといいますが…
エアフォルク 平田祐三さん
「不在です。午前中指定が不在でした」
時間指定がされていても留守のことがあるといいます。
エアフォルク 平田祐三さん
「気持ち的には思うところもあるんですけど。同じ家に2回3回行くというのは負担にはなりますね」
時間外労働にもつながり、運送業者の大きな負担となっている「再配達」。この負担を軽減するカギとみられているのは、玄関前や宅配ボックスなどに荷物を置く、いわゆる「置き配」です。
エアフォルク 平田祐三さん
「やっぱり置き配だと、置いていけるんで、1回の配達で済むので非常に助かります」
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その「置き配」を促す商品もあります。
Yper 内山智晴代表
「OKIPPAといいまして、簡易的な宅配BOXになります」
カギつきのバッグを玄関のドアノブにワイヤで固定することで、配達員がこの中に荷物を届けてくれます。これまで約20の自治体で実証実験を行っていて、再配達を80%以上削減できた自治体もあります。
物流業界では、来年4月からドライバーの時間外労働が制限されることで、人手不足の深刻化が懸念されています。
エアフォルク 井上貴夫社長
「これだけECサイト(ネットショップ)の宅配の荷物が増えているので、人が足りているということは常になく、常に人が足りないという状況は、今も変わらないですね。われわれ働く側としては再配達というのは無駄な労働力になってしまうので、今後、減らしていけたらなと」
政府は6日、緊急対策を発表し「置き配」を選ぶとポイントが付与される実証実験などの対応策を打ち出す方針です。
政府関係者からは「そもそも再配達が無料というのが、いびつだ。本当は再配達分を配送料に乗せるべき」という指摘もあります。
事業者と消費者、双方にとって良い仕組み作りはできるのでしょうか。