【全文】ウクライナ"義勇兵"20代日本人男性が死亡 官房長官会見(11/11午前)
松野官房長官は、11日午前の会見で、ウクライナでロシア軍と戦っていた20代の日本人男性が亡くなっていたことを明らかにしました。
<会見トピックス>
▽ウクライナ日本人"義勇兵"死亡
▽葉梨法相発言
▽次世代半導体新会社
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。一般案件等2件、政令、人事が決定されました。
大臣発言として、小倉大臣から、令和 4 年度家族の日、家族の習慣について。外務大臣から、ソマリアにおけるウクライナ産小麦を活用した食料支援のための緊急無償資金協力について、それぞれご発言がありました。
閣僚懇談会においては、小倉大臣から、女性に対する暴力をなくす運動の実施についてご発言がありました。
次に、拉致問題への理解関心を高めるため、 12 月 10 日土曜日、東京においてグローバルな課題としての拉致問題の解決に向けた国際連携をテーマに政府主催国際シンポジウムを開催する予定です。私も主催者として参加する予定です。国際シンポジウムでは国内外の拉致被害者ご家族、特定失踪者ご家族の生の声をいただくとともに、作文コンクール表彰式や国内外の有識者による国際連携に向けた様々な議論が行われる予定です。今回のシンポジウムはインターネットでのライブ配信も実施予定ですので、全国各地からも是非ご視聴いただければと思います。詳細は配布しているチラシを参照ください。私からは以上です。
――ウクライナでの邦人死亡事案について伺います。現地で、ロシア軍との戦闘に参加していたとみられる日本人男性が死亡したということですが、政府はどのような目的であっても、ウクライナへの渡航はやめるよう呼び掛けており、今回の侵攻で日本人が死亡したのは初めてだということですが、政府として把握している事実関係と受け止め、今後の対応を伺います。
○松野官房長官
在ウクライナ日本国大使館からウクライナ当局に確認を行ったところ、ウクライナにおいて、ロシア軍との戦闘に参加していた20代の邦人男性が、現地時間11月9日に死亡したことが、現地時間10日に確認されました。在ウクライナ日本国大使館において、邦人保護の観点から、ご家族への連絡等、必要な支援を行っています。政府としては、ウクライナ全土に退避勧告を出しており、どのような目的であれ、同国への渡航はやめていただきたい。また、すでに滞在されている方は、安全を確保した上で、直ちに退避していただきたいと考えています。
――葉梨大臣は閣議後の会見で、死刑を巡る発言について、「他の会合でも複数回発言をした。全ての発言を撤回する」と発言しました。他の会合での発言に関して、葉梨大臣からの説明や、総理、長官から注意などやり取りはあったのでしょうか。また、野党側は辞任を求めているが、改めて政府の対応を伺います。
○松野官房長官
葉梨大臣からは一連の発言について、真摯に反省し、陳謝する旨の説明があり、いずれにせよ、大臣は一連の発言を撤回したと承知しています。葉梨大臣にあたっては改めて説明責任を徹底的に果たしつつ、職務にあたっていただきたいと考えています。
――半導体関連について伺います。国内企業主要8社が次世代半導体の国産化に向けた新会社を設立したことが分かりました。半導体をめぐっては、各国で開発競争が行われていて日本の存在感低下が指摘されています。半導体政策は岸田政権としても重点的に取り組んでいると思いますが、新会社に期待することなどがあれば、伺います。
○松野官房長官
ラピダス株式会社は次世代半導体の量産実現に向けて、本年8月に新たに立ち上げられた会社であり、国内企業8社から出資を受けたと聞いています。半導体はデジタル化、脱炭素化を支えるキーテクノロジーです。特に、次世代半導体は量子、AIなどを含むあらゆる分野で大きなイノベーションをもたらす今後の中核技術であり、こうした動きが我が国の半導体関連産業の競争力強化につながっていくことを期待します。なお、本日、経済産業省から次世代半導体の製造基盤確立に向けた研究開発予算700億円の採択先をラピダス株式会社とすることが公表されたと承知をしています。あわせて次世代半導体の量産に向けて幅広い研究開発を進めるため同社も含む新たな研究開発プラットフォームについても公表されたと聞いています。こうした取り組みを通じ、海外の研究機関、産業界とも連携しながら、国内のアカデミアと産業界が一体となって取り組むことで、我が国全体の半導体関連産業の競争力強化につなげていきたいと考えております。研究開発予算等の詳細については経済産業省にお尋ねをください。
――葉梨法務大臣の発言について伺います。葉梨法務大臣は問題発言のうち「外務省と法務省は票とお金に縁がない、法務大臣になってもお金は集まらない」とする部分については、当初撤回しないとしていた対応を、一転させて先ほど謝罪撤回されました。死刑執行を巡る失言に関しても、昨日一時的に撤回しないと表明されていましたが、批判を浴び、撤回されました。これら一連の判断が遅かったとお考えにはなりませんでしょうか。
○松野官房長官
葉梨大臣は一連の発言について、自ら見直し、真摯に反省した結果、本日に至り、その発言を撤回したものと承知をしています。葉梨大臣にあっては改めて説明責任を徹底的に果たしつつ、職務にあたっていただきたいと考えています。