【全文】新型コロナ新規感染者数「緊張感を持って感染動向を注視」松野官房長官(11/10午後)
松野官房長官は10日午後の会見で、新型コロナの新規感染者数について「現在の増加傾向が今後も継続し、大規模な全国的な感染拡大につながる可能性もあることから、緊張感を持って感染動向を注視していく」と述べました。
<会見トピックス>
▽新型コロナ対策
▽コロナ感染者数
▽10増10減
▽"統一教会"被害者救済法案
▽葉梨法務大臣発言
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
冒頭発言はございません。
――新型コロナ対策について伺います。総理は先ほど、分科会の尾身会長と会談していたが、どのようなやり取りされたのかお聞きします。また、加藤厚労大臣は昨日、いわゆる第8波につながる可能性があると指摘した感染動向についての認識、オミクロン株のBQ.1などについても注視が必要との意見が出るなか、どんな対策を講じていくかお聞きします。
○松野官房長官
先ほど総理と新型コロナ分科会の尾身会長をはじめとする専門家の面会をされ、 今後の感染状況の見通し、必要な保健医療体制の備えやワクチン接種促進策、感染拡大防止策などについて意見交換を行ったと承知しております。新型コロナの新規感染者数については、全国的に増加傾向となっている一方で、現時点では今年の夏の感染拡大時より急激な増加にはなっていません。現在の増加傾向が今後も継続し、大規模な全国的な感染拡大につながる可能性もあることから、緊張感を持って感染動向を注視していく考えであります。また、BQ.1系統は、感染者数増加の有意性や免疫を回避する性質が示唆されていますが、これまでに得られた情報では、感染性や重症度が高まっていることは示唆されていないと承知をしています。政府としては、新型コロナの感染拡大や季節性インフルエンザとの同時流行にも備え、発熱外来等の拡充や健康フォローアップセンターの拡充等に取り組むこととしており、都道府県に対し、11月中の外来、医療体制の整備をお願いをしているところであります。こうした取り組みに加えて、できる限り早い時期のワクチン接種や感染状況に応じて、国民の皆様に具体的なメッセージを発信し、事前の準備や重症化リスク別の行動を促すなど、先手先手で対応してまいりたいと考えております。
――関連。世界でみると、WHOの新型コロナウイルス感染症の集計で10月31日~11月6日の週間感染者数が日本が40万1693人で世界で最多となりました。日本に次いで多いのが韓国ですが、29万人と10万人以上差がある状況です。日本は世界でみてもワクチン接種率は高い部類で、今でもほとんどの国民がマスクを着用しているという世界でもあまり例のない状況にあります。それでも感染者数が世界でみると最多であるという理由について科学的に説明ができるのでしょうか。説明ができないとすれば、今一度原因について調査する必要があるとのお考えなのか、あるいは死者数は世界と比較しても低い状況にあるのでさほど気にする必要がないという考えなのでしょうか。
○松野官房長官
WHOによると、日本の一週間の新規感染者数は、10月31日から11月6日までの間で、世界で最も多かったと報告されていることは承知しています。WHOの各国比較については、感染者数の把握が充分なされていない国が増えていることに留意する必要があると専門家から指摘されており、本件についての具体的な評価は、差し控えさせていただきたいと思います。
――10増10減の法案について伺います。本日の衆院本会議で、10増10減を反映した公選法改正案が可決されました。今国会での成立は確実な情勢で、格差が2倍以内に縮小され、司法から違憲状態と判断された状態から脱することになりますが、受けとめをお願いいたします。また、法案を巡って削減対象の地域の議員からは、地方軽視との反発もありました。今後、参議院に審議が移りますが、地方の衆院議員減少に伴う懸念に対し、政府としてどのように対処していくお考えでしょうか。
○松野官房長官
いわゆる1票の格差を是正する公職選挙法の一部改正法案が本日衆議院本会議において可決されました。政府としては、引き続き、本法案の成立に向けて努めてまいりたいと考えております。また、都道府県別の定数配分など、衆議院選挙制度のあり方については、議会政治の根幹に関わることから、まずは、各党各会派でご議論いただくべき事項と考えています。
――旧統一教会問題の関連で伺います。公明党の山口代表が本日、被害者救済新法の責任者を決めるべきだと政府への対応を求めた。明日の総理外遊出発前に明確にすべきとも言及しているが政府の対応をお願いします.
○松野官房長官
悪質な献金等の被害者救済のための新規立法については、総理から一昨日、河野消費者担当大臣と法務事務次官に対し、今国会を視野に、できる限り早急に法案を提出するよう努力してほしいと指示をされたと承知をしています。いずれにせよ、関係大臣が連携し、できる限り早期の法案成立に至るよう政府として最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
――葉梨法務大臣の失言についてお伺いいたします。死刑制度を巡っては、過去に福岡県の飯塚事件の被告がえん罪の疑いがあるまま死刑執行されるなど、えん罪と死刑制度がはらむ問題点などは未だ残されています。制度の前提にある厳密さや慎重さを軽んじた今回の発言は、死刑制度の存在意義や制度を巡る議論に影響を及ぼすとお考えでしょうか。
○松野官房長官
葉梨大臣に対しては、本日朝、私から発言には十分注意するよう厳しく注意を行いました。葉梨大臣からも、真摯に反省し陳謝すると説明があり、発言を撤回したと承知をしていますが、誤解を招くことがないよう、死刑制度に関する考え方も含め、引き続き本人がしっかりと説明していくべきと考えます。