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【全文】経団連…ベア中心に積極的な賃上げ呼び掛け「前向きに評価したい」松野官房長官(11/8午後)

2022年11月8日 18:43
【全文】経団連…ベア中心に積極的な賃上げ呼び掛け「前向きに評価したい」松野官房長官(11/8午後)

松野官房長官は、8日午後の会見で、経団連がベースアップを中心に、積極的な賃上げを呼びかけることについて「前向きに評価したい」と述べました。

<会見トピックス>
▽防衛力の抜本強化
▽賃上げ
▽こども家庭庁の名称
▽"統一教会"被害者救済法案
会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――防衛力の抜本的な強化について伺います。研究開発や公共インフラの安全保障分野への活用を行う省庁横断的な取り組みについての検討状況をお聞きします。あわせて従来の防衛費に加えまして、研究開発費や公共インフラ整備費などを一括計上する総合的な防衛体制の強化に資する経費を創設する方針を固めたという一部報道がありますが、検討状況を伺います。

○松野官房長官
総合的な防衛体制を強化していくためには縦割りを打破し、我が国の持てる力を結集する必要があります。こうした観点から、先月行われた第2回国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議では総理から防衛体制の強化に資する研究開発の推進や公共インフラの整備、利活用を進めるための具体的な仕組みについて、関係省庁間で早急に検討し、次回の有識者会議で報告するよう指示があったところです。この指示に基づき、防衛省、自衛隊や海上保安庁のニーズを踏まえ、関係予算を効果的に活用するための具体的な仕組みについて、ご指摘のような経費の取り扱いも含め検討を進めているところであり、取りまとめ結果を次回の有識者会議でお示ししたいと考えています。

――賃上げに関して伺います。経団連の十倉会長は7日の記者会見で23年春闘で基本給を一律に引き上げるベースアップを中心に積極的な賃上げを会員企業に呼び掛ける考えを示した。ベアとして正規昇給分をあわせて5%の賃上げを求める連合方針には驚きはないとしつつ、賃上げ水準は慎重に検討する考えを示した。政府として経団連の賃上げ方針の評価と、望ましい賃上げ水準について見解を伺います。

○松野官房長官
経団連がベースアップを中心に、積極的な賃上げを呼びかける点については前向きに評価したいと思います。賃上げ自体は各企業の支払い能力を踏まえながら、個別に労使が交渉し、合意した上で決定されるべきものであるので、そうした中での最大限の賃上げを期待したいと思います。来春の賃金交渉に向けては、物価上昇率をカバーする賃上げを目標にして、労使でしっかり議論をしていただきたいと考えており、政府としても民間企業等の賃上げを支援するため、価格転嫁対策や、中小企業の支援等に万全を期してまいりたいと考えております。

――小倉将信こども政策担当相は本日の参院内閣委員会で、来年4月にスタートする「こども家庭庁」の名称について、特定の団体からの影響はないと述べました。当初案の「こども庁」から「こども家庭庁」に名称が変更した経緯を改めてお聞きしたいのと、もう1点は、政府が世界平和統一家庭連合などからの影響はない、教団との関係はなくなったといったところで、この名称である限り多くの国民の疑念が晴れることはなく、疑念をもたれること自体が問題だとの指摘も少なくありません。むしろ「こども庁」に名称を変更する方が設立の理念からしても、政権にとってもプラスとなる可能性は高いし、多くの国民にとっても気持ち良く前向きに捉えることができるという考え方もあるが、名称変更を検討する考えは全くないのでしょうか。

○松野官房長官
子供政策に関する新しい組織の名称については、昨年12月に閣議決定した、子ども政策の新たな推進体制に関する基本方針において、「こども家庭庁」としました。
この名称は子供の健やかな成長にとって、家庭における子育てをしっかりと支えることが子供の幸せに繋がるという趣旨であり、新しい組織の名称として適切であると考えています。
また、児童の権利に関する条約の全文の考え方においても、子供は家庭環境のもとで幸福、愛情及び、理解のある雰囲気の中で成長すべきとされているところであります。
いずれにしても、小倉大臣が述べている通り、新しい組織の名称を「こども家庭庁」としたことについて、特定の団体からの影響はないと承知をしています。

――救済法案について伺います。旧統一教会の被害者救済を巡り、政府は今国会、新法を提出する方針と報じられました 。これまでの議論で消費者庁の有識者検討会は公益法人認定法を参考にした法整備を提言し、与党は家族など第3者が損害賠償請求ができる仕組みを検討すべきとしています。今国会の閣法提出についての事実確認と法案のたてつけ等についての政府の検討状況をお聞きします。

○松野官房長官
これまでも申し上げている通り、政府としては、消費者庁の検討会報告書を踏まえ、与野党協議での議論も参考にしながら、将来に向けて被害の発生を防止し救済を容易にするために必要な法制度の整備を進めていく考えであります。被害の防止、救済のために何が必要かという観点から検討を進め、準備ができたものから早期に提出してまいりたいと考えております。