岸田総理、NATO首脳会議に出席 中国念頭に安全保障での連携強化を確認
リトアニアで開かれたNATO(=北大西洋条約機構)の首脳会議に出席した岸田総理大臣は、中国を念頭に安全保障分野での連携強化を確認しました。前野記者の報告です。
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北朝鮮が弾道ミサイルを発射したまさにその日、岸田総理はヨーロッパの軍事同盟であるNATOの首脳会議に出席し、連携を呼びかけました。
岸田総理「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であるという認識のもとに、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持、強化に向けて、NATOおよびその加盟国、並びにパートナーとの連携を引き続き進めていきたい」
その上で、サイバー防衛や偽情報への対策などで、NATOと協力することを盛り込んだ新たな文書を発表しました。
威圧的な言動を強める中国に対抗する狙いもありますが、フランスのマクロン大統領は中国に配慮し、東京にNATOの連絡事務所を開設することには反対するなど、NATOの中には温度差もあります。ある外務省幹部は、「ヨーロッパとの関係は日米関係と比べまだ発展させる余地がある。今が関係強化に向けた旬だ」との見方を示しています。
中国や北朝鮮によって東アジアの緊張が高まる中、アメリカだけでなくヨーロッパ各国とも連携し、日本の安全を確保できるのか。岸田総理の手腕が問われています。