説明“一転” 萩生田氏“教団との関係は思いはあったがあえて触れなかった” 韓国では“統一教会”が大規模デモ
自民党の萩生田政調会長は18日、これまでの説明から一転、「世界平和統一家庭連合」、いわゆる“統一教会”との関係について「思いはあったがあえて触れなかった」と述べました。一方、日本で教団への批判が高まる中、韓国在住の日本人信者などによる大規模集会が韓国・ソウルで行われました。
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18日、カメラの前に現れた萩生田政調会長は、これまで明らかにしていなかった教団との新たな関係を説明しました。
自民党 萩生田政調会長
「地元の支援者の中に、ボランティア活動、熱心にやってる皆さんがいらっしゃって、その方達が『平和女性連合』の会員の皆さんでした。そのご縁で、皆さんとのつきあいが始まりました」
以前は、過去に関連団体のイベントに参加したことについて、次のように説明していました。
自民党 萩生田政調会長(2日)
「承知の上でおつきあいしてるのではなく、地元の皆さんでその中に、そういう関係者がいたかもしれないという認識」
“教団と承知の上ではない”としていましたが、18日になり…
自民党 萩生田政調会長
「『世界平和女性連合』の皆さんの活動に、私も一定理解・応援をしてました。正直申し上げて、その団体と統一教会の関係っていうのは、名称は非常に似てますので、そういう思いはあったんですけれども、あえて触れなかったというのが正直なところです」
教団と関係している可能性に気づいていたにもかかわらず、あえて確認しなかったといいます。
そして6月、後に参院選で当選した生稲晃子氏を連れて訪問したのが、萩生田氏の地元、東京・八王子市にある施設です。
自民党 萩生田政調会長
「私自身は、(世界平和)女性連合の皆さんのお集まりだという認識でいきました」
しかし、この建物は教団そのもので、入り口には「世界平和統一家庭連合」などはっきりとわかる表示もあります。
自民党 萩生田政調会長
「私自身は旧統一教会のかつてのですね、社会的な問題については、『今、そういうことがない』という認識をしてたんですが、いまだ、いろいろなことで苦しんでいらっしゃる方がいらっしゃる、このことには少し思いが足りなかった、というふうに反省をしております」
――二度と関係は築かないということでよろしいですか
自民党 萩生田政調会長
「はいあのー、適切な対応をしていきたいと思ってます」
一方、生稲議員は次のように説明しました。
自民党 生稲晃子議員
「その施設でも、自分のいつも街頭演説でお話しさせていただいてることを、お話ししたと記憶してます」
施設の中で行ったのは、「演説」だといいます。教団の施設であることは“知らなかった”とし…
自民党 生稲晃子議員
「暑かったので、もう顔を直すこととか、あと自分が何を喋(しゃべ)るか、きちっと間違えないで喋らなきゃいけないとか、もうそういうことに必死で、何も見ずに、その時も全く見ていなかったんですね。だから、知りませんでした」
“どこで演説しているのかさえ、意識しなかった”といいます。
野党は、新閣僚と教団の関係をただす必要があるとして、臨時国会の召集を求める要求書を提出しています。
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一方、韓国・ソウルでは18日、韓国在住の日本人信者などによる大規模なデモが行われました。
参加者が行進しながら、日本語で「雨の日~風の日~雪の日も~」と歌う様子もありました。
「どんな苦労も報われる、母の優しい目を見れば。われら行くんだ…」
ステージの上で歌う男性に合わせ、参加者も合唱。韓国・ソウルの中心地は、まるでライブ会場と化していました。
教団の抗議集会は18日午後2時から行われ、参加者は歩道を埋め尽くすほどいました。「家庭連合に対するヘイトスピーチをやめよ!」、「家庭連合に対する偏向報道を許すな!」など日本メディアへの抗議が書かれたプラカードを揺らしながら熱唱し、歌い終わるとシュプレヒコールが巻き起こりました。
「歪曲(わいきょく)報道! 宗教弾圧! 中断しろ! 中断しろ!」
一方で、安倍元首相への追悼も行われました。
「みんな一緒に、安倍晋三元総理大臣のために追悼を捧げましょう」
参加者の多くは、韓国に住んでいる日本人信者でした。デモ開始の30分ほど前、参加者に話を聞こうとしました。
――少しお話をお伺いできませんか?
「わかりません」
――皆さんのご意見としても、ぜひ放送したいと思っているんですが
「…」
指示が出ているのか、話を聞こうとした全員が取材を断りました。さらに、取材する日本メディアを撮影するなど、教団側は日本メディアを監視するような動きを見せていました。
集会の後半には、「世界平和統一家庭連合に対する日本の言論の歪曲・偏向報道 抗議集会及び平和行進」と書かれた横断幕を先頭に、再び歌いながら行進しました。
記者
「大通り3車線を埋め尽くして、今、教団関係者が行進を行っています」
大規模な集会は2時間にわたって行われました。安倍元首相の銃撃事件をきっかけに日本で教団への批判が高まる中、教団側の主張を日本に対して訴える狙いがあったとみられます。
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再び、世間に注目されることになった教団。日本では18日、法務省、警察庁、消費者庁などの担当者が集まり、教団の被害にあった人の救済などを目的とし、来月から1か月程度、相談対応を強化する期間を設けることを決定しました。
葉梨法相
「(教団に関する問題の)相談対応のための集中強化期間を設けることといたします」
“スムーズに相談に対応できる体制の整備を急ぐ”としています。