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2021年12月30日 7:00

自民党・各派閥 内情と戦略を徹底解説!2

自民党・各派閥 内情と戦略を徹底解説!2
(c)NNN

総選挙に勝利し安定政権への道を歩んでいるように見える岸田政権。しかし、自民党内にある各派閥の内情を見てみると、岸田首相と距離を取る「非主流派」には石破氏が絡んだ新たな動きも…。自民党の派閥の今を徹底解説する。

■二階派(志帥会)45人

菅政権時代、絶大な権力を誇ったものの、現在、党の主要ポストに派閥のメンバーが誰もいなくなってしまったのが二階俊博元幹事長率いる二階派だ。派閥幹部の1人は「岸田さんは二階派を干したことを覚悟すべき」と憤る。しかし国土強靱(きょうじん)化推進本部長を務める二階氏の党本部の部屋には今でも大勢の人が“二階詣で”に訪れるなど、依然として多方面に一定の影響力を維持している。

また二階氏は派閥のメンバーが週1回集まる例会を重視していて「ちゃんと集まって勉強することは大事なことだ。内外の人もこれを見ている」と述べ、派内の結束を高め、いざとなったらまとまって動く姿勢を見せている。

一方で、岸田首相が定期的に茂木幹事長、麻生副総裁と会談するなど岸田派・茂木派・麻生派との連携を深める中、注目されているのが二階派と菅義偉前首相との関係性だ。日越友好議連の会長を務める二階氏はベトナム首相との会談に菅氏と森山裕総務会長代行を同席させるなど、将来的な連携も見据えた動きを見せている。

二階氏、森山氏と言えば、菅氏が自民党総裁選に立候補する際に背中を押した存在として知られ、菅政権時代は「後ろ盾」として政権を支えた。2022年夏の参議院選挙で自民党が勝利すれば岸田長期政権が見えて来るというのが一般的な見方だが、二階氏はこの点について周辺に対し「それはどうかな」と不敵な笑みを浮かべたという。岸田政権下で“非主流派”となっても二階氏の動きからは目を離せない状況が続く。

■森山派(近未来研究会)7人

安倍・菅政権で長く国会対策委員長を務めた森山裕総務会長代行。当時の二階幹事長との幹事長・国対委員長コンビは大きな影響力を持ち、森山氏は菅政権時代「影の官房長官」とも呼ばれた。

森山氏は“石原派”に所属していたが、総選挙で派閥会長の石原伸晃氏が落選したため、森山氏が派閥の会長に就任した。派閥の人数は7人と党内最少だが、二階元幹事長や菅前首相と連携を深めていて「非主流派」の接着剤的な役回りとして台風の目になる可能性もはらんでいる。

一方で、ある二階派幹部は「別々の派閥にいながら連携していくということの方が動きやすい」とも述べている。森山氏が二階派などと合流して「非主流派連合」を作る道を目指すのか、あるいは少数派閥のままで存在感を発揮していく道を模索するのか今後の動きが注目される。

■派閥より連携が緩やかな党内「グループ」

一方、自民党には“派閥”とは別に“グループ”と呼ばれる議員集団もある。派閥は選挙の際に物心両面で所属議員を支援したり、人事の際に大臣ポストなどを配分したりするほか事務総長と呼ばれる役職を設け、定期的に各派閥の事務総長が集まって横の調整も行っている。これに対して“グループ”は政策について話しあったり、昼食を食べながら意見交換をしたりするだけの緩やかな集まりだ。そのため他の派閥やグループとの掛け持ちを認めている。

■「菅グループ」(ガネーシャの会など)

党内グループの一つが菅前首相を支える「菅グループ」だ。と言っても、菅氏自身はグループには参加していないため「菅氏を慕う議員の集まり」というのが実態に近い。この「菅グループ」の一つが「ガネーシャの会」と呼ばれる菅前首相を慕う衆議院議員12人のグループだ。

グループ内からは「ガネーシャの会を派閥にした方がいい」という声も上がるが、あるガネーシャの会の中堅議員が「派閥化したいと言っているのは、岸田政権になってポストで冷遇された人だけだ。ガネーシャはほとんど若手議員ばかりで他派閥と渡り合う事務総長のポストにふさわしい人材もいない」と指摘するなど派閥化にはグループ内でも賛否が分かれている。

■小泉進次郎元環境大臣は…

その「菅グループ」との連携を模索してるのが無派閥の小泉進次郎元環境大臣だ。当選以来どこの派閥にも所属せず“一匹オオカミ”を貫いていたが、小泉氏は22年の大きなテーマとして「菅前首相が活躍できる場を作ること」を挙げている。

小泉氏は周辺に対し「このままではガネーシャの会は草刈り場になる。派閥にするべきなのか。何が一番いいのかを考えている」と話すなど菅前首相を慕う議員が結束できる環境作りを模索している。

■石破グループ(水月会)

石破茂元幹事長を総裁にするために2015年に結成された“石破派”だが、20年の自民党総裁選で菅氏に敗れて以降、石破氏の派内での求心力や党内での存在感は徐々に低下。21年の総裁選では、立候補に踏み切れず、支持した河野太郎氏も惨敗。その結果、石破派から退会者が相次ぎ、21年12月2日、派閥を解消し“グループ”へと移行することとなった。

石破氏は、グループとして定期的に政策勉強会を開き、幅広く参加を募る考えを示しているが、今後、石破氏が党内で存在感を高めることができるかは見通せない状況だ。石破氏は21年の年末に菅氏、森山氏、二階派幹部らが参加する夜会合に出席し新たな動きも見せている。

■谷垣グループ(有隣会)

政界引退した谷垣元幹事長を中心に活動してきた議員グループ。現在は遠藤利明選挙対策委員長や中谷元首相補佐官を中心に十数人が名前を連ねている。遠藤氏や中谷氏は先の総裁選でいち早く岸田支持を打ち出し、小グループでありながら岸田政権内では主流派的な立ち位置を確保している。

グループの源流は「宏池会」にあり、麻生派と岸田派が合流するいわゆる「大宏池会構想」が実現する場合には、谷垣グループも加わることが検討され続けている。ただ、現時点では「大宏池会構想」実現の可能性は低いと判断し、グループ内では「多少人数が減ったとしても有隣会を派閥化して党内7つ目の派閥を作った上で、主流派閥の一角となって岸田政権を支えるべきだ」との声が強まりつつある。