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防衛大綱を閣議決定 南西諸島の防衛を重視

2010年12月17日 18:04
防衛大綱を閣議決定 南西諸島の防衛を重視

 政府は17日、今後10年間の安全保障政策の基本方針を示した「防衛大綱」を閣議決定した。中国を意識し、南西諸島の防衛を重視した内容となっている。

 民主党政権になって初めての防衛大綱は、6年ぶりの改定となった。今回の大綱では、自衛隊を全国にまんべんなく配置することによる抑止効果を重視したこれまでの「基盤的防衛力構想」ではなく、即応性や機動性を重視した「動的防衛力」の考え方を基に、今後、部隊の配置や運用を整備するとしている。

 北沢防衛相は17日の会見で、「新たな複雑な、安全保障環境に対応できるような『動的防衛力』という新しい考え方をこの中に組み込ませていただいた」と強調した。

 日本の安全保障環境をめぐっては、北朝鮮について「日本を含む地域の安全保障の喫緊かつ重大な不安定要因だ」と指摘した上で、中国については「周辺海域で活動を拡大・活発化させており、地域・国際社会の懸念事項」と、前回の防衛大綱よりも強く表現している。こうした情勢に対応するため、新たに南西諸島に部隊を配置することなど、島しょ部の防衛態勢の強化が盛り込まれた。

 一方、外国への武器輸出を原則禁止している「武器輸出三原則」については、緩和する方針を明記することは見送り、「自衛隊の装備品の国際共同開発・共同生産への対応などを検討する」との表現にとどめ、関係の修復を模索している社民党に一定の配慮をしている。