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首相「TPP交渉参加に向け関係国と協議」

2011年11月11日 22:16
首相「TPP交渉参加に向け関係国と協議」

 野田首相は11日夜に首相官邸で会見し、TPP(=環太平洋経済連携協定)について「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」と述べ、交渉に参加する方針を表明した。

 野田首相「私としては、明日から参加する(アメリカ・ハワイで行われる)ホノルルAPEC(=アジア太平洋経済協力会議)首脳会合において、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることといたしました」

 「もとよりTPPについては、大きなメリットとともに数多くの懸念が指摘されていることは十二分に認識をしております」

 「貿易立国として、今日までの繁栄を築き上げてきた我が国が、現在の豊かさを次世代に引き継ぎ、活力ある社会を発展させていくためには、アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかなければなりません」

 「このような観点から、関係各国との協議を開始し、各国が我が国に求めるものについて、さらなる情報収集に努め、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立ってTPPについての結論を得ていくこととしたいと思います」

 「(これまでは)情報収集のための協議ということでございました。その段階を、さらに歩みを前に出すことによって、まさにTPP交渉参加に向けての協議という、そういう位置づけになっているということであります」

 会見で野田首相は、与党内の慎重派に配慮して直接的な表現は避けたが、「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」と述べ、交渉に参加する方針を表明した。また、野田首相は「国益を最大限実現するためのプロセスの第一歩だ」と述べた上で、APECの場でアメリカなど関係各国に交渉参加の方針を伝えることも明らかにした。

 一方で、国内の農業対策などについて新たな具体案は示さなかった。