邦人人質事件 情報収集急ぐ政府
イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループが、日本人2人を人質に取り、身代金を要求している事件で、首相官邸前から現在の様子を伝えてもらう。首相官邸前から菅原薫記者が中継。
首相官邸には菅官房長官が出入りしているが安倍首相は公邸に待機したまま、随時、報告を受けているとみられる。政府関係者はさきほど日本テレビの取材に対し、「明るい兆しも暗い兆しもない。情報の精査を続けている」と話した。
複数の政府関係者への取材を総合すると、ヨルダンや、人質解放の実績があるトルコの情報機関、宗教指導者など様々なルートを通じて働きかけをし、イスラム国、あるいはその支援者などからなんらかの反応は得られているものの、その情報の真偽を確認するのが非常に難しいという実情があるようだ。
また、ある政府関係者は「イスラム国は名前に『イスラム』という言葉がついているだけで彼らの行動原理は教義とは関係ない」と解説していて、これまでの事件で人質解放につながったこともある宗教指導者からのアプローチというのもどの程度有効なのかという難しさがある。
さらに、政府は身代金を支払うことには慎重な姿勢。複数の政府関係者によると、これは、支払ってしまうと日本が標的として狙われ続ける恐れがある、たとえば、現地対策本部があるヨルダンには、日本人学校などもあるから、単に、欧米と足並みをそろえるということだけでなく、多くの日本人の命を守るという意味で慎重にならざるを得ないという背景がある。
こうした多くの難問を抱えながら24時間態勢での作業が続く。