【官邸キャップ解説】「うすうす思い出してきた」盛山文科相 今後どうなる? “統一教会”との関係めぐり
盛山文部科学相は、いわゆる統一教会側と政策協定に当たる推薦確認書を交わしたのかを問われ「うすうす思い出してきた」「サインしたかもしれない」と述べました。事実上、確認書を交わしたことを認めた形です。一方、岸田首相は「現在は関係を有していない」と、続投させる考えを示しました。
これについて、政治部の平本典昭・官邸キャップが次の3つのテーマに沿って解説します。
◇「うすうす」発言 許される?
◇更迭は? どうなる盛山文科相
◇続投方針? 岸田首相の狙い
藤井貴彦キャスター
「まずは『うすうす思い出す』発言。これは国会でも、私たちの一般の会話でも、使わないですよね」
政治部 平本典昭・官邸キャップ
「7日の予算委員会は3日目でしたが、今国会で一番『えっ?』と思った発言でした。盛山さんとしては、正直な感想を話したのかもしれませんが、教団側との関係を繰り返し問われている中で『うすうす』思い出すということではなく、『はっきり』したファクトを自分で調べて、しっかり明確に答弁してほしいと、多くの人が思ったと思います」
藤井キャスター
「いわゆる統一教会と自民党議員の関係というのは、チェックしましたよね。そのとき、申告はなかったんですか」
平本キャップ
「その通りです。教団側との関係は過去にチェック、しかも最低で2回していると思います。
1回目は22年9月。自民党が全議員を対象に総チェックをしました。実はこのとき、22年3月の関係団体の会合に出席したことは申告したのですが、今回指摘されたのはその前の年、21年の会合については申告していませんでした。
2回目のチェックは去年の内閣改造です。新しい大臣にはいわゆる『身体検査』を含めたチェックがあります。
が、結局この2回のチェックは『スルー』されてしまった形となります。
ある野党幹部は『薄いのは記憶じゃなくて、与党のチェック体制じゃないか』と揶揄(やゆ)する声もあがってます」
藤井キャスター
「そんな発言をした盛山文科相は、責任をとることになるんですか?」
平本キャップ
「岸田首相は、教団側と『いまは、関係がない』と続投させる考えです。自民党幹部の1人も『大丈夫』と言っています。党内も多くの声が『辞める必要はない』というものです。
ただ、先行きは見えないと思います。理由は2つです。
1つ目は、盛山文科相が後手後手の説明にまわっているという点です。
『うすうす』発言に代表されるように、自分で調べて積極的に説明するという姿勢が見えてきません。ある閣僚経験者は『新しい疑惑が出たら持たない』と話しています
2つ目は『解散命令請求の担当大臣である』ということです」
平本キャップ
「政府は、教団に対する解散命令請求を、いま出しています。盛山文科相は『選挙の応援は受けていない』と話していますが、元信者からは『過去に関係があった盛山文科相では今後、教団側とは闘っていけない』という声が出ています。
担当大臣だからこそ、ほかの閣僚より重い責任が問われると思います」
■続投方針? 岸田首相の狙い
「岸田首相は、続投させようという方針なんですね?」
平本キャップ
「いまのところ、そうなんです。これも2つの理由があると思います。
1つ目は、政権はいま、政治資金の問題を抱えています。すでに昨年末に4閣僚が辞めていますが、さらにこの問題で大臣が辞めれば『政権は持たない』という声もあがっています。
もう1つは、対教団側に『強い姿勢』で臨みたい、という考えがあるようです。
担当大臣の更迭となれば『政権の教団側への姿勢が弱まった』とみられる懸念を持っているそうです。ある政権幹部は『解散命令請求の手続きを、強い姿勢で進めていかなくてはいけない』と話しています。
通常国会は始まったばかりですが、ある政府関係者は『また、新たな問題が出てきた』と頭を抱えています」