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“ミサイル”発射自制を強く訴え~野田首相

2012年3月27日 13:36

 北朝鮮が「衛星打ち上げ」と称する事実上のミサイル発射を予告する中、韓国・ソウルでは27日、核セキュリティーサミットが行われている。野田首相は演説の中で、北朝鮮に対して発射の自制を求めた。

 核セキュリティーサミットは、核を使ったテロの予防策を話し合うことがメーンテーマだが、野田首相は本来の議題ではないミサイル問題にあえて触れることで、北朝鮮に対して発射の自制を求める強いメッセージを打ち出した。全体会合で4番目に演説した野田首相は「北朝鮮が予告した『人工衛星』と称するミサイル発射は、国連安全保障理事会決議違反であり、発射を自制することが国際社会の要請だ」などと強く訴えた。

 会合に先立って野田首相と中国・胡錦濤国家主席が懇談し、野田首相が「北朝鮮に対し、中国と連携して強く自制を促していきたい」と述べたのに対し、胡主席は「地域の平和と安定は非常に重要で、中国としても強い関心を有している」と述べた。

 また、野田首相は昼食会で、原子力災害に関連して福島第一原発事故の経験で得た教訓について「想定外を想定することが重要だ」などと参加各国に説明し、共有する考え。

 核セキュリティーサミットは27日午後、「核物質などをテロリストの悪用から防ぐ責任は国家にある」などとして国際協力を呼びかける共同声明を採択し、閉幕する予定。