×

衆議憲法審査会で96条議論 7党が見解

2013年5月9日 16:41
衆議憲法審査会で96条議論 7党が見解

 衆議院憲法審査会では9日、安倍首相が改正に意欲を示す憲法96条について、与野党7党が見解を表明した。

 憲法96条は、憲法改正の発議には衆参両院それぞれで3分の2以上の賛成が必要と定めている。この要件について自民党は、過半数まで引き下げるべきと主張した。

 自民党・船田元議員「国会のどちらかの院の3分の1以上の議員が反対することによって発議が行われず、国民の意思が反映されないという事態も発生すると思っている。したがって、発議要件を2分の1以上、過半数とすることは妥当であると考えております」

 日本維新の会も、「現状では憲法について国民に判断を仰ぐことは困難だ」として、過半数まで引き下げるべきと主張した。また、みんなの党は、96条を改正すべきとしつつも、「憲法改正の前に選挙制度改革などが必要」と主張した。

 一方、民主党と公明党は慎重な姿勢を示した。

 民主党・武正公一議員「(96条改正の議論には)憲法改正のハードルを下げることのみではなく、憲法のどこを変え、どこを変えないかの中身の議論が欠かせないからです」

 公明党・斉藤鉄夫議員「(96条先行改正は)国民からは、どこを変えるのか、なぜ変えるのか、どのように変えるのか、不透明だからです」

 共産党と生活の党は、「安易な憲法改正が行われやすくなる」などとして反対の姿勢を示した。

 安倍首相は、96条改正を今年夏の参議院選挙の争点に掲げる考えを示す一方、「まだ十分に国民的議論が深まっているとは言えない。公明党とも丁寧に議論していきたい」と述べ、連立を組む公明党に配慮する姿勢も示している。