【全文】電気料金「前例のない思い切った負担緩和対策、検討を加速」官房長官会見(10/14午後)
松野官房長官は14日午後の会見で、電気料金負担の激変緩和措置について「家計・企業を直接的に支援するため、前例のない思い切った負担緩和対策を行う方針であり、検討を加速してまいりたい」と述べました。
<会見トピックス>
▽靖国秋季例大祭
▽1票の格差判決
▽安倍元首相国葬検証
▽電気料金負担軽減策
▽経済安保・特定重要物資等
▽拉致問題
会見の概要は以下の通りです。
〇松野官房長官
冒頭発言はございません。
―― 一票の格差について伺う。
この夏の参議院選挙で一票の格差に3倍を超える格差があったのは憲法違反だとして選挙の無効が求められている裁判で、大阪高裁は今日、違憲状態だとする判決を言い渡した。一連の裁判では初めての判決となるが、受け止めと今後の対応について伺う。
〇松野官房長官
今年7月に執行された参議院通常選挙については全ての選挙区について、一票の格差訴訟が各高裁に提起されたと承知をしています。本日の大阪高裁の判決については選挙当時の投票数の不均衡は違憲状態ではあったが、憲法上要求される合理的期間内に是正されなかったとは言えず、原告の請求が棄却されたものと認識をしています。本件に関わる一票の格差訴訟については今後も各高裁において判決が言い渡される予定であり、その結果を注視してまいりたいと考えております。
――国葬の検証について。
有識者へのヒアリングに関し会議体を作らずに個別にヒアリングをする狙いは。また、ヒアリングを有識者の名前は公表するのか、 後ほど論点整理を公表するにあたって誰がどういう意見を述べたということは明示されるのか。
〇松野官房長官
今般行う検証は国葬儀の実施において、不正や不適切な行為が行われたかどうかを対象とするものでなく、幅広い分野の有限・有識者から意見を聴取、収集し論点を整理するものであり、できる限り早期に複数の有識者から意見聴取をするためには、国葬儀事務局が主体となって個別にヒアリングを進めることが適当と考えています。
また、意見の収集、整理は静謐な環境で進めていくことが重要であると考えており、どなたから意見を聴取したかについては、意見と論点をお示しする際にあわせてお示しをすることを考えております。
――国葬に関連して。
検証後のルール作りについて。岸田総理はかつては実施基準についてはその都度政府が総合的に判断するのがあるべき姿と発言されていたが、なぜ一定のルールを設けることを目指すことになったのか。
また、ルールは立法措置のどういったものをイメージしているのか。
〇松野官房長官
内閣総理大臣経験者の葬儀のあり方については、これまでもその時々の内閣において様々な事情を総合的に勘案し、その都度ふさわしい形を判断してきたところであります。
一方で、今回の安倍元総理の国葬儀に対して、国民の皆様や各党各会派から様々なご意見、ご批判をいただいたことは真摯に受け止めなければならないと考えており、今般、幅広い有識者の方々からご意見を伺い、国葬儀について意見と論点を整理することとしたところであります。その上で、意見と論点の公表後、国葬儀の実施について国会との関係など、どのような手順を経るべきなのか、一定のルールを設けることを目指すこととしています。具体的な進め方については、意見収集、論点整理も踏まえて検討することとなりますが、その際この意見収集、論点整理を素材として、国会でもご議論を頂き、国民各層の幅広いご理解を得るよう努めていきたいと考えています。
政府としては、一定のルールについて予断を持つことなく、まずは幅広い有識者から意見を収集し、論点を整理をしていきたいと考えております。
――靖国神社の秋季例大祭について。
岸田首相や松野長官は参拝の予定はあるか。参拝しない場合も真榊や玉串料を奉納する予定はあるか。
〇松野官房長官
靖国神社に参拝するか否か、あるいは真榊を奉納するか否かについては総理が適切に判断することであり、私も同様であります。
――電気料金の負担軽減策について。
政府が現在検討しているが、早ければ来月から開始するという一部報道がある。
現在の検討状況を伺う。
〇松野官房長官
ご指摘の報道は承知していますが、電気料金負担の激変緩和措置について、制度設計の詳細、支援規模、スケジュール等については現時点で決まっていることはありません。いずれにせよ、電気料金の上昇が需要家にとって重い負担となってきている中で、政府としては急激な電気料金の値上がりによって影響を受ける、家計・企業を直接的に支援するため、前例のない思い切った負担緩和対策を行う方針であり、検討を加速してまいりたいと考えております。
――政府が経済安全保障推進法に基づいて、安定供給を図る特定重要物資に蓄電池や永久磁石などを検討していて、政府が自民党経済安保推進本部に原案を示したと伝えられている。
事実であれば、例えば年内に政令で指定することになるのか。また指定される数はどれくらいをお考えなのか。
〇松野官房長官
経済安全保障推進法における特定重要物資の指定に向けては先日30日に閣議決定された基本指針等を踏まえ、物資所管省庁から半導体、蓄電池、永久磁石などの11の特定重要物資の候補となる物質の提案があり、現在内閣府が提案のあった特定重要物資の候補について精査検討を進めていると承知をしています。現在精査を進めている段階であることから、どのような物質を特定重要物資に政令指定するかについては予断をもってお答えすることはできませんが、内閣府を中心に、関係省庁で連携相談の上、年内の政令指定を目途に検討を進めていくものと承知をしています。
――関連して例えば永久磁石でいうと原料の多くを中国に依存しているということだが、こうした国外との関係において特定重要物資に指定することによるデメリットの発生可能性についてはいかがか。
〇松野官房長官
経済安全保障推進法は特定の国を念頭に置いたものではありません。そのうえでグローバリゼーションの深化に伴う国際分業体制の変化が進む中、世界各国では重要な物質の過度な他国依存に伴い供給リスクの高まりが顕在化していると認識しており、今般、国民の生存や国民生活、経済活動にとって重要な物質を特定重要物資に指定し、サプライチェーンの強靭化を図るための制度を整備したところであります。
どのような物質を特定重要物資に政令指定するかについては現在精査中であり、仮定に基づく質問についてはお答えすることは差し控えたいと思います。
――北朝鮮による拉致問題。
これまで政府は被害者について北朝鮮に一括返還を求めてきたわけだが、何名か北朝鮮の方から帰すオファーがあったという報道がある。
拉致担当としてどうお考えか。
例えば北朝鮮から数名の返還を求められたときに、これを終わりにしないという前提で返還に応じるということはあるか。
〇松野官房長官
まず、拉致被害者にご帰国いただくためにですね、政府として様々な活動を行っております。その間のやり取り等も含め、詳細に関しましては、今後の交渉等に影響があるためお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
今ご指摘をいただいた案件についてですね、仮定の問題に関して、今私からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で拉致被害者の救出に序列は決してありません。拉致被害者ご家族および拉致被害者もご高齢となる中、拉致問題の解決には一刻の猶予もないと考えております。全ての拉致被害者の1日も早い帰国を実現すべく全力で行動していくという決意であります。
――すべての拉致被害者を一刻も早く救出ということはこれまでの政権も言ってきたことだが、加えて、一人でも多くの拉致被害者に早く帰国を実現させてあげたいということはあるのか。
〇松野官房長官
政府としては、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の1日も早い帰国を実現すべく、全力を尽くしてまいりたいと、先ほど申し上げた通りでございます。
その結果を出すことが全てであり、それに至る道筋、プロセスについて言及をすることは差し控えさせていただきたいと思います。