小渕経産相、会見で陳謝「全てが甘かった」
政治資金問題を巡り辞任した小渕経済産業相は20日午前、経産省で会見を開き、「国民の皆さま、ご迷惑をかけている全ての皆さまに心からのおわびを申し上げます。全てが甘かったんだと思います。私自身の責任は重いと思っています」などと述べた。
小渕経産相「大変お騒がせをしてしまったこと、ご心配をおかけしていることに対し、国民の皆さま、私を長く支援してくださっている後援会の皆さま、地元・群馬の皆さま、ご迷惑をかけている全ての皆さまに、心からのおわびを申し上げます。経産相として経済政策、エネルギー政策に停滞をもたらすことは、許されることではありません。大臣の職を辞し、疑念を持たれていることについて、しっかり調査をし、皆さま方にお示しができるよう、全力を傾注してまいりたい」
「本当に申し訳ないのですが、私自身がわからないことが多すぎます。私自身、なんでこうなっているのかという疑念を持っています。全てが甘かったんだと思います。私自身の責任は重いと思っています」
また、2009年から3年間、地元・群馬の下仁田ネギの購入など、年末に約60万円の支出があったことについて、小渕経産相は「地元・群馬の名産である下仁田ネギやこんにゃくを購入した点ですが、政治活動でおつきあいのある県外の方への贈答であり、地元の名産を紹介することは地元・群馬の振興につながるものと」と述べた。
2009年にベビー用品や玩具など計約9万円の支出があったことについては、「ベビー用品や化粧品などの購入につきましては、私が子を持つ女性議員であることから、報道などで私の子や、私の化粧品の購入ではないか、との誤解を示されるコメントがありました。しかし、ベビー用品は父の代からご支援いただいている県外の方の家族の出産祝いやお誕生日祝いといった社交儀礼として購入したもの、化粧品や服飾品などは私が団長として海外に出張した際のお土産として購入しお渡ししたものでした。一部報道には、関係者に品物を贈るのは個人としての社交であるからポケットマネーで行うべきであるとの指摘がありますが、会社や団体が経済活動の中で関係者に経費で社交儀礼をするのと同じく、政治家が政治活動を行う中でさまざまな人と交流を持ち、人脈を広げていくことは重要な仕事の一つであり、政治活動の経費として認められるものと思っています」と述べた。
また、2010年から3年間、親族が経営する服飾店に品代として約200万円を支出したことについては「義理の兄が経営する服飾雑貨店から物品を購入している点ですが、このお店は私の姉がデザインした品物を販売しており、一般の品物とはまた違った話題で交流を深めるきっかけになるので、大変重宝しています」と述べた。
2つの政治団体が主催する、支持者対象に毎年行われる観劇会については、「これは今年の参加費と小渕優子後援会女性部大会申込書が入って、後援会事務所に持参をしていただいたもののコピーです。中には会費を添えて申し込みますと書かれて、お名前、住所が書かれたものが人数分全てそろっております。平成22年の参加者名簿をもとにして電話や訪問して、参加費の徴収について確認をさせていただいています。19日に、現在までにおたずねした753名の全員が1万2000円を支払って参加されていることを確認しています。きちんと後援会の皆さまからは参加費をいただいております。とすると、暦年の小渕優子後援会の収支報告書の記載には大きな疑問があると言わざるを得ません。平成24年(2012年)にいたっては、収支も支出も計上されておりません。これでは、ご指摘を受けている通り、大きな疑念があると言わざるを得ません。長年、私が子どもの頃からずっと一緒に過ごしてきた、そういう信頼するスタッフのもとでお金の管理をしていただいていました。その監督責任というものが十分ではなかったのだと思っています」と述べた。
今後について小渕経産相は、「このように収入と支出の双方について、果たしてその実態があったのか否か、私自身大きな疑念を持ったところであり、後援会を含めた関係政治団体の収入と支出の両面にわたり、収支報告書の内容の全てを第三者的な観点から調査していただく必要があると考えています。そこで関係する政治団体とは関係のない外部から、弁護士や税理士などの専門家を入れて客観的な調査をしていただくことにしました。政治家としては全て、一から出直そうと思っています。安倍内閣の一員として、経済の再生、女性の輝く社会の実現、その他さまざまな課題に対し、何一つ貢献ができなかったこと、心から申し訳なく、おわびを申し上げたいと思います」と述べた。