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自民が維新に“歩み寄り” 協議進む背景に3人の“キーマン”

2025年2月18日 21:32
自民が維新に“歩み寄り” 協議進む背景に3人の“キーマン”

来年度予算案をめぐる修正協議で、石破首相は野党の中でまず、日本維新の会に歩み寄りをみせました。なぜ、石破自民党と維新との協議が進んだのか。3人のキーマンの存在について、維新担当の増澤記者の解説です。

少数与党で予算成立に向けて野党の協力が不可欠な中、石破首相が最初にターゲットにしぼったのが日本維新の会でした。1人目のキーマンは、石破首相と関係が深い前原共同代表の存在です。

石破首相と前原氏は鉄道が共通の趣味のほか、安全保障政策に精通しているなど気脈が通じる仲でした。両党の接近のベースには2人の信頼関係があったといえます。

17日、国会で初めて「予算の修正」を口にした石破首相。

石破首相
「令和7年(2025年)度予算を修正する方向で与党とも相談をしていきたい」

前原氏の質問に答える形で修正を明言しました。ある政府関係者は「あえて、前原さんに花を持たせる形で表明した」と語りました。

私たちは、この接近につながる水面下の動きを先週捉えていました。2人目のキーマン、遠藤前国対委員長の動きです。

ある維新議員は「自民党との交渉は色んなチャンネルが動いている」と話しています。自民党側と太いパイプのある遠藤氏が、石破政権のキーマン、林長官と接触していたのです。カニを食べながらの2時間を超える会合では、予算案賛成の条件などについて意見交換が行われたとみられます。

そして、もう1人のキーマンは維新のトップ・吉村代表です。

国会での交渉は前原氏、遠藤氏などが担う一方で、維新は本拠地を大阪に置き代表を務めるのは吉村氏です。先週、ある維新幹部は自民との協議に「吉村代表は懸念を示していた」と話しています。

17日、大阪で開かれた維新の幹部会合。昼間の石破首相の発言を受けて、吉村氏がどういった反応を示すかが注目されました。

私たちは会議の直後、岩谷幹事長に話を聞きました。

日本維新の会 岩谷幹事長
「教育無償化、大阪の教育無償化というのは、吉村さんと引き継ぎ拡充してきたという歴史だと思いますので、一連の流れの中で1つ大きな節目を迎えるのかなと」

牛肉弁当を食べながらの会議で、吉村代表など大阪側からも石破首相の発言を評価する声が出たといいます。一方で、岩谷幹事長は今後の課題についてこう語りました。

日本維新の会 岩谷幹事長
「日本の課題はこれだけじゃないですし、そして社会保障の改革についてはこれからさらなる議論が進むでしょうから、(吉村代表は)まだまだ休むわけにはいかないと思っていると」

維新は今後、予算案への賛成も視野に検討を続けます。ただ、ある維新幹部は「まだ最低限のベースができただけだ」とも話していて、自民党とのギリギリの協議が続きます。

最終更新日:2025年2月18日 21:32