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岸田首相「勉強の夏」…全国巡るねらいは?キーワードは“〇〇的な社会”

2023年7月22日 8:21
岸田首相「勉強の夏」…全国巡るねらいは?キーワードは“〇〇的な社会”

岸田首相は21日、少子化対策などの重要政策について、国民と直接意見交換を行う「全国行脚」をスタートさせた。各地をめぐり、政権が力を入れる「少子化対策」「認知症対策」「デジタル」の分野などの現場を視察する予定だという。この取り組みのねらいは何なのか。取材を進めるとあるキーワードが浮かび上がった。

■「勉強の夏」…全国各地で国民と意見交換を行う

岸田首相は21日、栃木・足利市で障害者の自立支援に取り組む施設を訪問し、知的障害のある人たちがワインづくりに使うぶどうを育てている様子を視察した。障害者の自立支援に積極的にとり組む現場で話を聞き、「農業」と「福祉」が連携して新たな雇用や産業を生み出す「農福連携」を政策で後押しするのがねらいだ。

今回の視察は、岸田首相が「勉強の夏」と位置付け、全国各地で国民と意見交換を行う「全国行脚」の第1回と位置づけられている。

■全国行脚のキーワードは「○○的な社会」の実現 

全国行脚は秋までに6~7回程度を予定していて、少子化対策、女性活躍、認知症対策、デジタルなどの現場を視察するという。この取り組みの狙いについて、首相周辺は「全国行脚のキーワードは“包摂的な社会”の実現だ」と話した。 「包摂的な社会」とは、すべての人が取り残されず、社会に参画することを指す言葉。岸田首相は、これまで社会的に弱い立場とされてきた子ども、女性、障害者、認知症患者、過疎地域の住民などの自立支援を行う現場を視察し、政権の政策に取り入れるのが全国行脚のねらいだという。

周辺は「様々な人の働く意思や、経済的な自立を支援して、雇用や新しい産業の創出、ひいては経済成長につなげたい」と語った。

ただ、岸田首相の全国行脚には別のねらいもある。G7広島サミットの直後に大幅に向上した内閣支持率は、マイナンバーをめぐるトラブルが相次ぐなどして、低下傾向が続いている。

この事態の打開に向け、岸田首相としては、全国行脚を通じて自身の原点である「聞く力」を前面に出し、政権浮揚に繋げたい考えだ。この夏を「勉強の夏」と位置付けた岸田首相だが、国民の声を実効性のある政策につなげ「実りの秋」を迎える事ができるのか。政権の真価が問われる「全国行脚」になる。

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