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高市総務相「停波」発言巡り 国会論戦続く

2016年2月16日 19:56
高市総務相「停波」発言巡り 国会論戦続く

 高市総務相のテレビ局を巡る発言について国会論戦が続いている。高市総務相は16日も、テレビ局の放送を止める「停波」の可能性に言及し、野党側は「メディアの萎縮につながる」と指摘した。

 政府はテレビ局に放送を止める「停波」を命じることがあるのか。16日の衆議院予算委員会で放送を巡って厳しいやりとりが交わされた。

 高市総務相「私はどんな極端なことが起きても、それ(停波)を使わないってことはここでは言えない」

 民主党・奥野議員「報道は萎縮をしてしまうと報道の自由が失われるんじゃないかと、強い懸念を持っております」

 そもそも、テレビ局は総務相の許認可を受けて放送を行っている。電波法は、テレビ局が放送法などに違反した場合、総務相は「停波」を命令できると規定している。その放送法では「政治的に公平であること」を定めていて、これまで、総務省は「放送事業者の番組全体を見て判断する」としていた。言論・放送の自由の制限につながりかねないため、政府も慎重に運用してきた。

 しかし、高市総務相は「一つの番組でも極端な場合においては、やはりこれは政治的に公平であるということを確保しているとは認められない」と述べた。これに対して野党側は、政府が判断の基準を番組全体から一つの番組に解釈を変えたとして批判した。

 政府は野党に迫られ、統一見解を公表した。その統一見解では、政府は解釈に「何ら変更はない」としながらも、「『番組全体』は『一つ一つの番組の集合体』であり、一つ一つの番組を見て、全体を判断することは当然のこと」としている。

 さらに、番組の事例として、「国論を二分するような政治課題について、一方の政治的見解を取り上げず、殊更に他の政治的見解のみを取り上げてそれを支持する内容を相当の時間にわたり、繰り返す番組を放送した場合」とした。

 これに対し、民主党・奥野議員は16日の予算委員会で、「政治的に公平が問題ありとなれば個別番組でも行政指導入れていきますよ、場合によっては停波もありますよ、と。これはものすごい(メディアの)萎縮効果をこの一連の流れは生んでいると思います」と述べた。

 一方の高市総務相は、「私自身に対する、ここ1週間くらいの報道を見てましても、決してメディアは萎縮されていないと思います。放送番組全体を見るとしても、やはり一つ一つの番組の集合体であるというのはまぎれもない事実であると考えております」と述べた。

 ある自民党議員は「メディアが萎縮しないなら解釈変更なんかしないでしょ。メディアに直接言うのではなく、ジリジリやっていかないと」と話した。

 さらに野党側は、閣僚を辞任した甘利前経済再生担当相の建設会社からの金銭授受問題を巡っても指摘をした。

 建設会社とUR(=都市再生機構)の間のトラブルを巡り、UR側は、定義次第とした上で、URから建設会社への補償金額交渉に甘利氏の元秘書が関与していたとの認識を示した。

 民主党・大串博志議員「(甘利氏の元秘書が)補償交渉に関与していたのかどうか、その一点だけお答えください」

 UR・上西理事長「同席してたということが、関与してたというふうに定義すればその通りであります」

 一方で、UR側は「甘利氏側から圧力を感じたとか、補償金額を上げることは一切なかった」と述べた。

 野党側は、甘利氏と元秘書の証人喚問を要求。甘利氏は睡眠障害のため1か月間の自宅療養が必要と診断されたということで、16日の衆議院本会議を欠席した。

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