増税再延期 野党「公約違反」と追及強める
安倍首相は1日夜の会見で消費税率引き上げの再延期について「これまでの約束と異なる新しい判断だ」と説明した。野党側は「公約違反だ」と追及を強めている。
民進党の山井議員は「国民が総理大臣の言うことを信用しなくなる」と厳しく批判している。
山井国対委員長代理「消費税増税は約束通り行うと言い続けておきながら、『新しい判断』の一言で今まで言っていたことを全部ひっくり返してしまう。国民が総理大臣の言うことを全く信用しなくなるというふうに思います」
また別の民進党議員は「国会が閉幕した瞬間に延期を発表するとは国会軽視だ」と憤っている。
一方、身内の自民党は安倍首相の会見をどう評価しているのだろうか。ある閣僚経験者は「率直で良かった。国民は公約違反かどうかより消費増税の見送りを評価するだろう」と話している。
別の閣僚経験者は「もう消費増税はできないんじゃないか」と語り、2年半延期した後の増税実現を早くも疑問視している。
安倍首相は参院選で「国民の信を問う」として勝敗ラインを与党で改選議席の過半数に引き上げた。首相周辺は「厳しい数字だ」としているが、ある自民党幹部は「安全なラインを言っただけだろう」と語っている。
参院選は2日午後、閣議で今月22日公示、来月10日投開票が正式に決まった。選挙戦では安倍首相の政治姿勢も一つの争点になりそうだ。