第１９２臨時国会が２６日に召集され、７月の参議院選挙後、初の与野党論戦が始まる。政府・与党はＴＰＰ（＝環太平洋経済連携協定）の承認案などの成立に全力を挙げる方針。

　与野党双方が新しい布陣で臨む臨時国会だが、来月の衆議院補欠選挙をにらんで対決ムードも高まりそうだ。

　菅官房長官「アベノミクスをいっそう加速し、経済再生を進める。そういうことを実現する国会であるというふうに思っています」

　２６日午後の所信表明演説で安倍首相は、アベノミクス加速に向け、今年度第２次補正予算案やＴＰＰの承認案と関連法案の早期成立に理解を求める考え。ＴＰＰ承認案などについて政府・与党は、「大統領選を控えたアメリカにアピールするため、来月中に衆議院を通したい」などとしているが、野党側も徹底抗戦の構えで激しい論戦が予想される。

　民進党・蓮舫代表「基本的には批判から提案という形で臨みたいと思いますが、提案さえできないお粗末な事例というのもいくつか見受けられます。存在感を示せる国会に率先してさせていただきたいと思います」

　また衆参両院で改憲勢力が３分の２を確保したことを受けて、安倍首相は憲法審査会での議論再開を与野党に呼びかける方針。ただ、民進党は９条改正などを盛り込んだ自民党の憲法改正草案を撤回するよう求めるなど、つばぜり合いも始まっている。

　臨時国会の会期は１１月３０日までの６６日間で、２７日から各党の代表質問が行われる予定。