日本支援で改修のサッカー場オープン 東欧
民族紛争で20万人以上が犠牲となったボスニア・ヘルツェゴビナで9日、日本政府の支援で改修されたサッカー場がオープンした。会場には、サッカー日本代表の元監督で地元出身のイビチャ・オシム氏も姿を見せた。
ボスニア紛争の激戦地で、戦闘の爪痕がいまも残る街・モスタル。日本政府には、戦後20年以上たってなお3つの民族の根深い対立が続くここモスタルにサッカー場を開くことで、スポーツを通じた民族融和を後押しする狙いがある。
現在、オーストリアで暮らすオシム元監督は、体調不良を押して駆けつけた。
式典に出席した岸信夫外務副大臣は挨拶で、「子供たちには、民族の垣根を越えて友情を育んでほしい」と強調した。
岸外務副大臣「スポーツには大きな力があると思います。サッカーを通じて、子供たちが互いに壁を作ることなく打ち解けて、将来の国づくりにリーダーシップをとってもらえる存在になってもらえればと思う」
この改修事業は、ODA(=政府開発援助)を利用し、およそ2900万円をかけて行われたもので、民間から元日本代表キャプテンの宮本恒靖さんが主導するサッカーアカデミーも開校し、官民共同のプロジェクトとなる。
日本政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、こうした「スポーツ外交」の強化を図っていて、今後も開発途上国を中心に100か国・1000万人以上を対象に事業を展開する方針。