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安倍首相 単独インタビュー全文(4)

2016年12月19日 19:53
安倍首相 単独インタビュー全文(4)
 2日にわたる日露首脳会談を終えた安倍首相は17日、日本テレビの単独インタビューに応じた。首相公邸の書斎で行われたインタビューの内容を全文掲載。(4/8)

<聞き手:報道局政治部・伊佐治健部長>


■ロシア“食い逃げ論”批判に対して首相は…?


Q.食い逃げ論が自民党内からも懸念が出ているが、日本企業がロシアに進出して政治的なリスクがあるとか汚職の問題とか、なかなかビジネス環境が整わないと言われています。このあたり政府として責任もてるんでしょうか?

--それが一番大切なことであってですね。私もプーチン大統領に対して、例えば4島の経済活動においてもこうした、安心して日本の企業が進出できるようなものにしてもらいたい。そのために、ロシア法でもない、日本の法律でもない、新しい仕組みですね。特別な制度を作っていくということにしました。

 また、8項目の提案においてもですね、当然これは信頼関係を作っていくことが大切だということは、私だけが言ってるのではなくてプーチン大統領も言っているんですから。そこでこの信頼関係を損なうようなことがあれば元も子もない。この可能性をひめた日露関係、この可能性を開花していくこと、(それなしでは)つながらないということは十分に大統領も承知していると思います。

Q.特別な制度のもとですけれども、総理この両国の間で主権を害さない形で活動する、どのようなことを具体的に考えておられるでしょうか。例えばそれは条約といった形なのか、あるいは第三者機関なのか、このあたりはいかがでしょう。

--これはですね、両国の間で協定を締結していく。これについて協議をはじめていくことになります。今まで世界でもあまり例をみないんだろうと思いますね。いわば領土問題というのをお互いに争っている国ですね。争っている場所でですね、共に力を合わせて経済活動をするということはあまり起こりえません。それをやる前に解決をする、普通そうですね。今度は新しい試みですから、新しい試みではありますが、その中にしか私は可能性がないと思っています。ですからしっかりとこれ、専門家同士がですね、当局間が議論をしていく、そしてそれはスピード感をもって議論を進めていきたいと思います。

Q.過去一度、小渕内閣時代にロシア側からもちかけられて日本政府ができない結論を出してしまったことがありました。これについて、現状何か変わった点はありますでしょうか?

--ロシア側の提案というのは、まさにロシア法の中で一緒にやらないかということだったと思いますね。それは平和条約に向けてですね、日本の立場を害すことにつながっていきますからできませんということになりました。だからこそ今回、この声明の中にも書いたようにお互いの立場を害さない、そういう仕組みを作っていく、ですから特別な制度仕組みを作っていく。これが今度の新しい考え方であり、これはこちらから提案したことであります。

Q.どのくらいの期間かかるんでしょうか、仕組みができあがるまでに。

--まさにスタートしたばかりでありますから、早速この月曜日から作業、日本側において作業しロシア側と交渉しなければならないと思っています。

Q.プーチン大統領は日本側の8項目の協力プラン、これについて「唯一の正しい方法だ」という言い方を一度されたんですが、最近の私どものインタビューでは「雰囲気作りだ」という風に少し後退したり。プーチン大統領のスタンスというものは、信頼できるリーダーでしょうか?

--プーチン大統領の言い方はですね、一貫していると私は思っています。まさにイルクーツクの精神、ここからスタートしていく、これ全くぶれていないと思います。その中において信頼醸成をしていくべきだということは一貫してプーチン大統領が述べていることでありますから、姿勢そのものがぶれていると思ったことは私はありません。ただ、国民向けにですね、解説をするということは政治家ですから当然あるんだろうと思いますが、私とプーチン大統領が交渉している中においてですね、私に約束したことをたがえた、あるいはこうやっていこうと2人で決めたことをですね、「やはり無理だ」となったことは一度もないわけでありますから。