安倍首相 単独インタビュー全文(7)
2日にわたる日露首脳会談を終えた安倍首相は17日、日本テレビの単独インタビューに応じた。首相公邸の書斎で行われたインタビューの内容を全文掲載。(7/8)
<聞き手:報道局政治部・伊佐治健部長>
■G7で“日露には平和条約がない”という異常…終止符打てるか?
Q.おりしもEUがロシアに対する経済制裁の延長を決めました。そのタイミングではあったんですが、欧米の動きとのバランスはどう考えますでしょうか。
--ヨーロッパと日本は今、様々な協力関係にあります。いろんな対話が進んでいますね。2+2の対話も日本はいろんな国々と進めています。しかし安全保障環境についてはですね、アジア太平洋地域の安全保障の状況については、ヨーロッパにとっては遠い地域の出来事なんですね。やっぱりヨーロッパにとってはウクライナの出来事やシリアで起こってることは切実な問題なんです。日本にとってはアジア太平洋地域と比べれば遠い地域の出来事です。その中でそれぞれの国は当然自国の国益が一番大切ですね。
しかしその中において日本は日本の国益を主張しなければいけません。ですから私はG7で日本はロシアと平和条約がない、隣国とないんですから。この異常な状況を私は終止符を打ちます。このために全力を尽くしていくためには当然ロシアと話し合わなければいけない。そのことは理解してもらいたいと申し上げ、理解をされていると思います。同時にウクライナの問題においては日本はG7の議長国としてですね、責任ある対応をとっておりますし、制裁も行っているということです。
Q.私どものプーチン大統領へのインタビューの印象では日米同盟一辺倒ではだめ、G7との強調ではなくロシアを向いて欲しいと受け止めたが、そこは両立し得るのか。
--率直に私も今までも何回もプーチン大統領とは2人だけの会談をやっておりますから、その際、私の世界観、日本はどういう戦略を持っているのか、その中で日露関係をどうしていきたいのかという話はしています。そして日米同盟の重要性についても話をしています。決してそれはロシアの国益を害するものではないということも話をしている。日米同盟の重要性、日本がそれを重視するということについてはプーチン大統領は完全に理解をしていると言ってもいいと思います。
同時にああいう会見の場というのは世界に対して発信をしていく、自国に対してもそうでしょうし、ヨーロッパに対してもそうでしょう。それはそういう世界ですから私もそれを意識して発信することがあります。しかしいわば日本が制裁をしているから交渉しないというのであれば、私の地元まで来ませんよ。夜の11時35分まで一緒に食事をしながら仕事をするということはないと思いますね。2日間にわたって日本を訪問した。ですからそれはもちろん制裁をされるというのは不愉快でしょうけど、それは不愉快ではありますけど、私との関係においてはそれを飲み込んでですね、日露関係を前進させていくということはいわばそれを飲み込む価値のあるものだということは理解をしていると思います。
Q.トランプ政権になってアメリカとの関係がよくなった日本との関係はそれほど無理しなくてもいいという臆測も出ている。
--それはよくある説でありますけども、プーチン大統領というのはですね、非常にクールに見えますが、大変義理を大切にする人物でもあるんですね。そこにプーチン大統領の一貫性もあると私は思っているんです。いわば孤立をしたから日本と仲良くしようということではないんですね。アメリカとうまくいきそうだからもうあまり日本と仲良くする必要ないという単純な発想ではないと、そんな軽薄な発想では私はないと思いますね。
いわば孤立をむしろプーチン大統領は恐れないわけですから。孤立を恐れているのであればああいう姿勢をとり続けることはないと思いますね。ですから米国との関係はむしろトランプ次期大統領がですね、ロシアとの対話をもっと進めていこうということになればそもそも私はG7においてもっと対話を重視していくべきだということを主張してきましたから、私の主張に全体が寄ってくることになるんだろうと思います。
Q.総理がウラジオストクでの発言とリマでの発言がかなり慎重になったのはプーチン大統領に変化があったと受け止めたが、何かあったのか。
--この変化はないんですね。ただ、この平和条約の問題を解決をしていくという道筋が見えたという話をしましたが、これはもう直ちに4島が返ってくるのではないかのごときのですね、報道等もありました。これは二階さんも指摘していたことなんですが、ですからそれはそう簡単な問題ではないんだということはもう一度リマインドしていく必要があるなとこう思いました。プーチン大統領の姿勢がですね、ウラジオストクとリマで変わったわけではこれは全くありません。
基本的にはソチ、そしてウラジオストク、リマ、今回の長門とだんだん、だんだんですね、積み上がって前進をしてきていると思います。この、先ほど申し上げました特別な制度の下での共同経済活動が平和条約の解決に向けた重要な一歩であるということを声明文に書くことができたんですね。これは極めて私は重要なことだと思っているんです。つまり、こうした活動と平和条約というのは別だというのがですね、基本的にかつてはですね、ソビエト時代、ロシアになってからもですね、示されてきたことです。でもそれはまさにそれをやることによって次があるんだということを約束したということとも言えます。ですからそういう意味においては、今回の声明に特別な制度の下での経済活動の交渉が始まることが平和条約の問題の解決に向けて重要な一歩であるということを書き込んだということはそういうことだと思います。
<聞き手:報道局政治部・伊佐治健部長>
■G7で“日露には平和条約がない”という異常…終止符打てるか?
Q.おりしもEUがロシアに対する経済制裁の延長を決めました。そのタイミングではあったんですが、欧米の動きとのバランスはどう考えますでしょうか。
--ヨーロッパと日本は今、様々な協力関係にあります。いろんな対話が進んでいますね。2+2の対話も日本はいろんな国々と進めています。しかし安全保障環境についてはですね、アジア太平洋地域の安全保障の状況については、ヨーロッパにとっては遠い地域の出来事なんですね。やっぱりヨーロッパにとってはウクライナの出来事やシリアで起こってることは切実な問題なんです。日本にとってはアジア太平洋地域と比べれば遠い地域の出来事です。その中でそれぞれの国は当然自国の国益が一番大切ですね。
しかしその中において日本は日本の国益を主張しなければいけません。ですから私はG7で日本はロシアと平和条約がない、隣国とないんですから。この異常な状況を私は終止符を打ちます。このために全力を尽くしていくためには当然ロシアと話し合わなければいけない。そのことは理解してもらいたいと申し上げ、理解をされていると思います。同時にウクライナの問題においては日本はG7の議長国としてですね、責任ある対応をとっておりますし、制裁も行っているということです。
Q.私どものプーチン大統領へのインタビューの印象では日米同盟一辺倒ではだめ、G7との強調ではなくロシアを向いて欲しいと受け止めたが、そこは両立し得るのか。
--率直に私も今までも何回もプーチン大統領とは2人だけの会談をやっておりますから、その際、私の世界観、日本はどういう戦略を持っているのか、その中で日露関係をどうしていきたいのかという話はしています。そして日米同盟の重要性についても話をしています。決してそれはロシアの国益を害するものではないということも話をしている。日米同盟の重要性、日本がそれを重視するということについてはプーチン大統領は完全に理解をしていると言ってもいいと思います。
同時にああいう会見の場というのは世界に対して発信をしていく、自国に対してもそうでしょうし、ヨーロッパに対してもそうでしょう。それはそういう世界ですから私もそれを意識して発信することがあります。しかしいわば日本が制裁をしているから交渉しないというのであれば、私の地元まで来ませんよ。夜の11時35分まで一緒に食事をしながら仕事をするということはないと思いますね。2日間にわたって日本を訪問した。ですからそれはもちろん制裁をされるというのは不愉快でしょうけど、それは不愉快ではありますけど、私との関係においてはそれを飲み込んでですね、日露関係を前進させていくということはいわばそれを飲み込む価値のあるものだということは理解をしていると思います。
Q.トランプ政権になってアメリカとの関係がよくなった日本との関係はそれほど無理しなくてもいいという臆測も出ている。
--それはよくある説でありますけども、プーチン大統領というのはですね、非常にクールに見えますが、大変義理を大切にする人物でもあるんですね。そこにプーチン大統領の一貫性もあると私は思っているんです。いわば孤立をしたから日本と仲良くしようということではないんですね。アメリカとうまくいきそうだからもうあまり日本と仲良くする必要ないという単純な発想ではないと、そんな軽薄な発想では私はないと思いますね。
いわば孤立をむしろプーチン大統領は恐れないわけですから。孤立を恐れているのであればああいう姿勢をとり続けることはないと思いますね。ですから米国との関係はむしろトランプ次期大統領がですね、ロシアとの対話をもっと進めていこうということになればそもそも私はG7においてもっと対話を重視していくべきだということを主張してきましたから、私の主張に全体が寄ってくることになるんだろうと思います。
Q.総理がウラジオストクでの発言とリマでの発言がかなり慎重になったのはプーチン大統領に変化があったと受け止めたが、何かあったのか。
--この変化はないんですね。ただ、この平和条約の問題を解決をしていくという道筋が見えたという話をしましたが、これはもう直ちに4島が返ってくるのではないかのごときのですね、報道等もありました。これは二階さんも指摘していたことなんですが、ですからそれはそう簡単な問題ではないんだということはもう一度リマインドしていく必要があるなとこう思いました。プーチン大統領の姿勢がですね、ウラジオストクとリマで変わったわけではこれは全くありません。
基本的にはソチ、そしてウラジオストク、リマ、今回の長門とだんだん、だんだんですね、積み上がって前進をしてきていると思います。この、先ほど申し上げました特別な制度の下での共同経済活動が平和条約の解決に向けた重要な一歩であるということを声明文に書くことができたんですね。これは極めて私は重要なことだと思っているんです。つまり、こうした活動と平和条約というのは別だというのがですね、基本的にかつてはですね、ソビエト時代、ロシアになってからもですね、示されてきたことです。でもそれはまさにそれをやることによって次があるんだということを約束したということとも言えます。ですからそういう意味においては、今回の声明に特別な制度の下での経済活動の交渉が始まることが平和条約の問題の解決に向けて重要な一歩であるということを書き込んだということはそういうことだと思います。