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安倍首相 単独インタビュー全文(5)

2016年12月19日 19:53
安倍首相 単独インタビュー全文(5)
 2日にわたる日露首脳会談を終えた安倍首相は17日、日本テレビの単独インタビューに応じた。首相公邸の書斎で行われたインタビューの内容を全文掲載。(5/8)

<聞き手:報道局政治部・伊佐治健部長>


■プーチン大統領は北方領土問題の存在を“否定せず”


Q.そうすると「領土問題は存在しない」という発言は国民向けの発言でしょうか?

--私とプーチン大統領の間においてはそういう発言は一切ないわけでありまして。あくまでも「56年宣言」が起点である。ここで決められたことは、2島についてのことであるけれども、しかしただ「主権を返すということは書いてない」というのがプーチン大統領、ロシア側の理解であります。その点で日本側と齟齬(そご)がまだもちろんあるわけです。

Q.主権の問題は非常に難しい問題で、この総理が95分間の“テタテ会談”の中で、おそらく表に出ていないいろいろな問題が話し合われているんだと思います。私どもが領土問題進展なしという風に受け止めていても、実は何か進んでいるのかもしれない。日本側の決断次第では変わることは何かあるんでしょうか?

--まずですね、冷静にもう一度70年たってどういう現実なのかということをしっかりと見る必要があると思います。4島の問題。4島には残念ながら日本人は1人も住んでいません。あの島々には戦前住んでいた人たちとほぼ同じ数のロシア人が生活をしている。しかも70年たってしまいましたから、三代目くらいになっていますね。おじいさんの時代からここに住んでいると思えば、当然自分のふるさとだと思っていますね。そして軍事的な施設も現に存在する。なによりもそれはロシアの手の中にあるんです。

 ロシアはもう、この現実の問題として、日本とは平和条約はないけれども、しかしこのままでもかまわないと思おうと思えば思えるわけですね。我々は4島ということを主張してきましたけれども、1島も日本の手の中にはないんですから。1ミリも返って来ていないのは事実です。

Q.実効支配が70年続いているわけですね。

--これは例えばでは、30年たってしまったら100年ですから、そうなったら歴史のかなたに消えてしまうことになります。ですからそこで私たちは知恵をしぼらなければならないわけでありまして。歴史の正義を主張しているだけでは何の変化もおこらなかったということは、この70年間が証明しているんだと思います。そこで両国のリーダーが、ある段階では決断をしなければならないと思っています。