海自哨戒ヘリ事故、原因を特定 複数機での訓練を再開へ
海上自衛隊の哨戒ヘリコプター2機がことし4月、訓練中に衝突し墜落した事故で、海上自衛隊は、調査の結果、衝突の原因を機体同士の高度差を確保していなかったことや、見張りが不十分だった可能性があることなどと結論づけました。
これを受け、海上自衛隊は複数のヘリによる訓練を、早ければ来週にも再開する方針を固めました。
この事故は、ことし4月、海上自衛隊の哨戒ヘリ2機が伊豆諸島沖で潜水艦を探す夜間訓練中に衝突、墜落し、乗っていた隊員8人全員が死亡したものです。
防衛省関係者によりますと、衝突した2機は、それぞれ別の指揮官の指揮のもと訓練に参加していましたが、安全な高度差を保つための指示がないまま、同じ高度で飛行していたということです。
そして、直進していた1機の前方ななめ右から、もう1機が衝突したことが判明しました。
ヘリ同士は、夜間でも近づけば目視は可能で、今回の訓練でもフライトレコーダーには搭乗員らがお互いに位置を見て確認している音声が記録されていたことがわかりました。
ただ、衝突した2機のヘリには直前まで避けようとする様子が確認できず、見張りが不十分だった可能性があるということです。
海上自衛隊の事故調査委員会は早ければ今週中にもこれらの調査結果を発表し、見張りの徹底や、複数のヘリが別の指揮官の指揮で動くときは、連携を徹底することなどを再発防止策として示す方針です。
事故を受け、海上自衛隊はヘリの訓練を1機ずつ行うものに限定していますが、調査結果と再発防止策の発表後、複数のヘリによる訓練を再開する方針です。
艦艇と連携する訓練なども、段階的に再開していく見通しです。