自衛隊「特定秘密」の不適切な取り扱い発覚で米国との協力関係に影響も?対策が急務
安全保障に関する「特定秘密」の情報を、海上自衛隊の多くの艦艇で資格のない隊員に取り扱わせていたことが分かった。この問題などを受け、海上自衛隊のトップ、海上幕僚長が辞任の意向を示しているという。
ある自衛隊幹部は、特定秘密に対するずさんな体制が発覚したことで、「アメリカとの関係が心配だ」と懸念を示す。不適切な取り扱いが発覚した艦艇の中には、イージス艦も含まれる。ミサイル防衛などを担うイージス艦の運用には、周辺国の情報が必要だ。「北朝鮮や中国などについての情報は米国に依存しているところが大きい。情報が提供されなくなれば、北朝鮮からのミサイル防衛にも影響が出るだろう」(同じ自衛隊幹部)
そもそも2014年に施行された「特定秘密保護法」は、アメリカなどから情報の保全体制の脆弱(ぜいじゃく)性を指摘され、機微な情報を得られるようにするために整備された背景があった。
自衛隊の外への情報漏えいは確認されていないというが、機密情報の保全は、日米同盟や同志国との協力関係を築くのに不可欠だ。自衛隊全体で、再発防止に取り組み、信頼を取り戻すことが急務となる。