岸田首相、マレーシア首相と会談 海洋分野での安全保障協力強化で一致、中国念頭に
マレーシアを訪れた岸田首相は、アンワル首相と首脳会談を行い、中国を念頭に、海洋分野での安全保障協力を強化していくことなどで一致しました。
岸田首相「二国間関係を深化させるとともに、いま国際社会は複合的な危機に直面しています。法の支配に基づく、自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、人間の尊厳が守られる世界を確保するべく、ともに協力をしていきたいと思っています」
会談で岸田首相は、マレーシアと南シナ海で領有権問題を抱える中国などを念頭に「法の支配に基づく国際秩序」の意義を強調しました。
一方、アンワル首相は「日本が置かれた立場の重要性は増すばかりだ」と指摘しました。
両首脳は、日本が防衛のインフラ支援を行う枠組み、OSA(=政府安全保障能力強化支援)の実施に向けた調整を加速させることや、両国の海上保安機関の共同訓練など、海洋分野での安全保障協力を強化していくことで一致しました。
また、マレーシアが日本のLNG(=液化天然ガス)の主な輸入先となっていることも踏まえ、経済安全保障分野の連携強化でも一致しました。
アンワル首相は去年11月の就任以降、2度中国を訪問するなど、「中国寄り」との指摘もある中で、岸田首相としては対中国での両国の連携を確認できた形です。
岸田首相は来月、東京で開かれる日本とASEAN(=東南アジア諸国連合)の特別首脳会議に向けた協力も呼びかけ、アンワル首相は「楽しみだ」と応じました。