１０日で会期末を迎えた臨時国会。当初、この国会で焦点とされてきた「憲法改正」の議論は進まず、足踏み状態となった。

この国会で唯一、安倍首相の思い通りにならなかったのが憲法改正の議論。今後も展開は見通せない状況。

大きなハードルは、与党・公明党も憲法改正に慎重な姿勢を示していること。審査会でもテーマとなっているのは国民投票法の改正案で、本格的な改正議論になっていない。

自民党の新藤筆頭幹事は「静かな環境で憲法論議を深めていく」と述べたが、来年の通常国会でどのような戦略を描けば、事態が打開につながるのかが見通せない状況。

国会は１０日で閉幕だが、憲法改正以外のポイントは、やはり、引き続き、いわゆる「安倍一強」を象徴する国会運営だったということ。

野党との対決法案だった改正入管法などは、短時間の審議で成立へと押し切った。野党側は、与党側は横暴だと反発しているが、野党内の足並みの乱れも露呈した。特に、この国会、最大の焦点だった改正入管法の採決の場面で、立憲民主党と国民民主党が内閣不信任案の提出をめぐってもめるなど、政権側を攻めきれなかったのも事実。

論戦の場は、来年の通常国会にうつるが、与野党共に議論を深めていく姿勢が求められることになる。