日露首脳会談“平和条約交渉を加速”で一致
安倍首相はロシアのプーチン大統領と会談し、歯舞群島と色丹島の引き渡しを明記した「日ソ共同宣言」を基礎に、平和条約交渉を引き続き加速させる方針を確認した。
会談終了後の記者発表で、両首脳はこれまで通り平和条約交渉を進めることへの意欲は示したが、領土問題で具体的な進展を裏づける発言はなかった。
プーチン大統領「日ソ共同宣言が前提としている平和条約に調印する意向があることを互いに再確認した」
安倍首相「相互に受け入れ可能な解決策を見いだすための共同作業を、私とプーチン大統領のリーダーシップのもとで力強く進めていく」
3時間に及んだ首脳会談には、一部で両国の外相も出席し、安倍首相は2月中に次回の外相会談を行い、交渉をさらに加速させるよう指示したことを明らかにした。
交渉の加速を印象づけたい安倍首相だが、プーチン大統領は慎重で、解決策を見いだすためには「辛抱強さを要する作業」が必要だと強調した。また、「平和条約は両国の国民に受け入れられ、支持されるものでなければならない」とクギも刺した。その一方で、プーチン大統領は「今後数年で日露の貿易高を1.5倍、300億ドルを目指すことで一致した」と述べた。
ある政府関係者は「交渉を加速させることや、共同経済活動の進展で両首脳が関係者に指示したことは成果だ」と評価している。しかし、「交渉の内容が漏れることにロシア側が気を張り詰めている。こちらの真意を説明するだけで時間をとられる」と話すなど、交渉はいまだ険しい道のりが続いている状況。