厚生労働省の不正統計調査問題をめぐり、野党側は実質賃金の伸び率について、前の年と同じ事業所を比べた場合のデータを公表するよう、政府への追及を強めている。

共産党の倉林議員は、アベノミクスの成果にもつながるこの実質賃金の伸び率について、「今の説明では国民は納得しない」としてデータを出すよう安倍首相に迫った。

共産党・倉林明子議員「政府は実質賃金数値見送りと。総理、公表しないつもりですか」

安倍首相「可能かどうかということも含めて、いま、検討しているということだと思います」

共産党・倉林明子議員「今の答弁出すんですか、出さないんですか」

安倍首相「可能かどうかということでお答えをさせていただいた」

野党はこれまで、独自の試算によれば、去年１月から１１月の実質賃金の伸び率はマイナスだったとして、政府にもデータを示すよう求めているが、政府は当面、公表しない見通し。

また、倉林議員は、先週、更迭された厚労省の統計担当者らの参考人招致などが認められないことから「政府の対応そのものが組織的隠ぺいだ」と厳しく批判した。

これに対して、安倍首相は「再発防止に全力を尽くすことで、政治の責任を果たしていきたい」と述べるにとどめた。