「隠した?」と問われNHK会長「迅速に公表すべきだった」と陳謝
NHKの稲葉会長は8日の国会で、インターネット業務で不適切な調達を進めていた問題について、公表が遅れたことを陳謝しました。
この問題は、NHKが国から認められていないにもかかわらず、インターネットでBS放送を同時配信するための設備の調達を進めていたものです。
この問題は4月に発覚し、5月にNHKの経営委員会に報告されていましたが、NHKは新聞で報道される前日まで、総務省に報告しなかったと説明しています。
8日の衆議院総務委員会で、共産党の宮本岳志委員は、5月26日にNHKの井上副会長が総務省の有識者会議に出席したにもかかわらず、総務省に報告しなかったのは「『隠した』と言われてもしかたがないのでは」と質しました。
これに対し、NHKの稲葉会長は「事案の重要性から鑑みても、皆様に迅速に報告すべきものだと思う。時間を要してしまったことは大変申し訳なく思っている」と陳謝しました。
また、立憲民主党の奥野総一郎委員は「今回の件はハッキリ言えば『未遂』だ。違法性を含んだものを進めるのは国会軽視だ」などと批判しました。
これに対し、NHKで「常勤監査役」の役割をつとめる大草透経営委員は、「そもそも重要な案件を持ち回りで決めていたことのリスクを強く懸念している。オープンな議論や経営層との意思疎通など、風通しのよい組織風土への改善が必要だと考えている」と答弁しました。
野党各党は、問題の稟議(りんぎ)書と4月に稲葉会長が指示を出した「会長特命監査」の報告書を国会に提出するよう8日、あらためて求めましたが、NHK側は拒否しました。