コロナ対応で菅首相批判…立憲どう攻める?
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国会で与野党による論戦が始まりました。立憲民主党の枝野代表は、新型コロナウイルス対策をめぐり菅首相の判断の遅れなどを厳しく批判しました。
◆枝野代表、「緊急事態宣言」遅れを批判…菅首相は
20日、菅首相への代表質問に臨んだ枝野氏。
枝野代表「総理は私たちをはじめ多くの声を無視してGoToキャンペーンを続け、必要な対策を先送りしてきました。その結果が感染爆発と呼ばざるを得ない現状です」
こう指摘したうえで、緊急事態宣言の遅れを批判。
枝野代表「なぜこんなに後手に回っているんですか」
菅首相「(宣言は)専門的な知見に基づき慎重に判断すべきとされております。私は日々の感染状況等を把握し、専門家のご意見をお伺いしながら判断をいたしました」
菅首相は、これまでの主張を繰り返しました。
この日の質問のおよそ8割をコロナ関連に費やし、菅首相を問いただした枝野氏。
枝野代表「最悪を想定して対応することが危機管理の基本です。残念ながら総理は根拠なき楽観論に立ち、それによって対応が遅れてきたと言わざるを得ません」
菅首相「根拠なき楽観論に立ち、それによって対応が遅れてきたとは考えておりません」
菅首相は、枝野氏の指摘はあたらないと反論しました。
◆批判と提案おりまぜ方針転換をせまる
今後の対応については──
枝野代表「GoToキャンペーンに年度内の追加予算を計上しているのはピント外れの極みであります。少なくともGoToキャンペーンの追加予算は削除して、感染症対策に振り替えるべきです」
枝野氏は、批判と提案をおりまぜ方針転換をせまりましたが、菅首相は──
菅首相「3次補正予算(案)においては、病床の確保、雇用や事業の支援に加え、予備費を確保しており、GoToキャンペーンの予算の組み替えを行わなくても新型コロナ感染症の拡大防止策に十分な予算を確保しております」
◆野党・立憲、“ピンチ”の菅政権どう攻める?
【平本典昭記者が中継】
──ピンチを迎えているともいえる菅政権を、野党・立憲民主党はどう攻めていくんでしょうか?枝野代表の事務所から平本典昭記者が伝えます。
立憲民主党・枝野代表の事務所、この奥が執務室となっていて、この場所で19日も代表質問の原稿の手直しをしていました。
さて、菅政権が「ピンチ」となれば、野党に「チャンス」が回ってきたかと思いきや、今、そうでもないんです。
それを物語る数字がこちら。菅内閣の支持率は発足直後に74%(去年9月)だったのが、35ポイント落ちて39%(今年1月)。対する立憲民主党の政党支持率、4%(去年9月)だったのがどれだけ上がったかを見ると、たったの1ポイント、5%(今年1月)にとどまっています。
──なぜ、支持が伸びないんでしょうか?
取材していて、立憲民主党の「戦略」が絞れていないからだと感じます。
立憲民主党はいま、「批判型」「提案型」という2つの戦略のジレンマに陥っていると感じます。野党だからといってこのコロナの緊急事態に批判だけを続けていれば、「批判ばかりで対案はないのか」とみられてしまう。そこで提案型と思うのですが、そこにも「限界」があるというんです。
立憲民主党は、例えば
・ひとり親支援対策
・GoToトラベルの停止
・この冬の緊急事態宣言
など、実は早い段階から提案し、政府が後を追う形で実行したものもあるんですが、野党が先に提案したということがなかなか浸透していないですよね。
ある立憲幹部は「いくら先に提案しても、結局手柄は政府のもので、野党のポイントにつながらない」と「限界」を口にしています。
批判ばかりでもダメ、かといって提案してもなかなか支持につながらない。このジレンマの中、枝野代表はこの国会での具体的な戦略が問われることになります。