“会長人事”川淵氏白紙も…政府なぜ関与?
女性蔑視発言から9日。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が正式に辞任を表明しました。政府内からは森会長が川淵氏を後継指名したことについて反発する声があがっていて、人事は白紙に戻す方向になっています。山崎大輔記者が国会記者会館から伝えます。
──政府はなぜ急に会長人事について組織委員会への関与を強めたのでしょうか。
政府は森会長が辞任を決断するまでは静観していましたが、森氏が後継指名をしたことに「国民の理解を得られない」と危機感を抱き、一転して人事に関与する方向に舵を切った形です。
菅総理大臣は周辺に対し「後継指名で会長を決めたら、組織委員会が国民からかけ離れた組織になってしまう」と話すなど、強い危機感を持ったということです。
政府はこれまで、森会長の進退については「権限がない」として距離を置いてきましたが、後任会長の人事については、組織委員会幹部が「総理官邸が騒ぎ過ぎだ」と嘆くほど不満をぶつけ、結果的に人事は白紙に戻った形です。
──後任の会長はどうなりそうですか?
政府内からは女性や若い世代からの起用を求める声が出ていて、橋本五輪担当大臣の名前があがっています。複数の政府関係者によりますと、橋本五輪担当大臣が大臣を辞任して後任の会長につく案が浮上しています。
しかし、橋本氏は周辺に対して「この短期間で後任の大臣含め調整することは難しいのではないか」と、現時点では慎重な考えを示しています。
ある政府関係者は「組織委員会のきょうの会議では選考委員会の立ち上げまでで終わる方向だ。ただ、候補は橋本氏しかいないという雰囲気になっている」と話しています。