菅原一秀前経済産業相が町内会の行事などで現金を配ったとみられることが新たにわかりました。私たちが２０２０年に取材した菅原氏の元秘書は、「茶封筒に現金を入れて配っていた」と証言しています。

　　　◇

うちわを手に浴衣姿で盆踊りを踊る男性。菅原一秀前経済産業相です。

神輿（みこし）をかついだり、豆まきに参加したり。選挙区内の祭りやイベントに積極的に顔をだしていた菅原氏。

２３日午前、菅原氏は…

Ｑ．また現金を配ったんですか？

菅原一秀前経産相「・・・」

関係者によりますと、町内会の行事などで「祝儀」などの名目で過去にあわせて数十万円ほどの現金を配っていたとみられることが新たにわかりました。選挙区の有権者に金品を配ることは公職選挙法で禁止されています。

菅原一秀前経産相（２０２０年６月の会見）
「一部公選法に触れる事案がございました」

秘書を通じて地元有権者に香典を渡していたことを認めた菅原氏。一度、不起訴になったものの、検察審査会が「起訴すべき」と議決し、東京地検特捜部が再捜査をしています。

こうしたなか、新たに浮上した“政治とカネの問題”。

２０２０年、私たちの取材に応じていた菅原氏の元秘書は…

Ｑ．地元有権者の方に金品を配られたことはありますか？

菅原前経産相・元秘書
「はい、あります」

２０１６年から２０２０年の間に秘書を務めていた時に、金品を配ったと認めたうえで…

菅原前経産相・元秘書
「お祭りで、茶封筒というか、そういったお金を直接、有権者に渡したというか、受付で渡して、そういったこともあったり。もともと菅原自身がお祭りごとで、お神輿を背負うことがあるんですけど、その時に、その後援会の代表の方に（金額を）数字で言って、お金を直接渡していたということもあります。自分（元秘書）が渡すときもあれば、本人が渡すときもあるんですけど、自分が渡すときはこっそり渡せとか、そういった指示で」

元秘書は、菅原氏の指示で金品を渡していたと証言していました。

菅原氏は２３日朝、厚生労働委員会の自民党筆頭理事を辞任。自らの口で説明はせず、「再捜査がされているなか、回答は差し控えさせていただきます」と紙でコメントをだしました。

特捜部は、菅原氏から任意で事情を聞き、香典を送った事件とあわせて慎重に捜査を進めています。