×

“キャリア官僚試験”今の制度で競争率最低

2021年6月21日 22:45

人事院は、いわゆるキャリア官僚と言われる、国家公務員総合職の2021年度の採用試験について、合格者が1834人だったと発表しました。競争率は前の年度の9.7倍から7.8倍と大幅に下がり、今の試験制度が始まった2012年以降、最低でした。女性の合格者は、561人で全体の30.6パーセントでした。

合格者は、このあと、各省庁の面接試験に臨み、半数以下の798人が採用される予定です。

人事院の担当者は、競争率の低下について「国家公務員の長時間労働がかねがね指摘されている上、コロナ禍の影響で地元での就職を志向する動きも強まっているようだ」と説明しています。

出願時期である、3月下旬から4月上旬に総務省の接待問題が国会で取り上げられたことが競争率の低下につながったかについて、人事院の担当者は、「正直なところ影響があるかはわからない」と述べました。

■出身大学別合格者数
※下段は合格者に占める割合
1  東京大学  256人
        14.0%
2  京都大学  115人
         6.3%
3  北海道大学  80人
         4.4%
4  岡山大学   78人
         4.3%
5  早稲田大学  77人
         4.2%
6  慶応義塾大学 68人
         3.7%
7  東京工業大学 67人
         3.7%
8  東北大学   65人
         3.5%
9  千葉大学   57人
         3.1%
10 中央大学   56人
         3.1%
10 九州大学   56人
         3.1%
(割合は小数第2位を四捨五入)

東大は、前の年度の14.5%から14.0%に、京大も7.6%から6.3%と、上位を維持しつつも合格者に占める割合は減りました。一方、岡山大は3.3%から4.3%、慶応大は2.8%から3.7%、千葉大は1.4%から3.1%と、増えています。