岸田首相、中東訪問2つの狙い「ビジネスチャンスの開拓」と「中国への対抗」 UAE大統領との首脳会談はじまる
中東を訪問している岸田首相は現在、2か国目の訪問地、UAE(=アラブ首長国連邦)で、ムハンマド大統領との首脳会談に臨んでいます。天野裕貴記者の中継。
現在行われている首脳会談で、岸田首相は、気候変動に関する共同声明をとりまとめる予定です。
岸田首相にとって今回の中東訪問には、2つの大きな狙いがありました。
一つ目は、「ビジネスチャンスの開拓」です。
ここUAEや、これに先だって訪問したサウジアラビアは、いずれも「石油依存からの脱却」や「産業の多角化」を図っています。岸田首相は、この機会を活かして日本が強みを持つクリーンエネルギーや医療などの最先端技術を売り込む考えで、およそ40社の企業幹部らも同行させ、トップセールスを続けています。
もう一つの狙いは、中東で存在感を高める「中国への対抗」です。
去年、習近平国家主席はサウジを訪れ、対立してきたサウジとイランの外交関係正常化の仲介役を果たしました。岸田首相が今回会談したサウジのムハンマド皇太子は、中東の有力指導者で、まだ30代という若さです。長期政権が見込まれ、外務省幹部は、「個人的な関係構築が非常に重要だ」と訪問の意義を語っていました。
岸田首相はこのあとカタールも訪れる予定です。