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都議選、水面下で駆け引き…“因縁の地”は

2021年7月4日 21:31
都議選、水面下で駆け引き…“因縁の地”は

任期満了に伴う東京都議会議員選挙の投票は、4日午後8時に締め切られました。今回の都議選は、4年間の小池都政に対する有権者の評価が問われるともに、各党は「衆院選の前哨戦」と位置づけて総力で臨みました。どのような闘いだったのか、まとめました。

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選挙戦、最終日の3日、小池百合子都知事がサプライズで登場しました。まばらだった街頭演説の場に、ひとだかりが。小池知事の激励に、都民ファーストの会の陣営は勢いづきました。

都民ファーストの会・村松一希候補「手を振ってくれたりとか、声をかけてきてくれる人が一気に増えた。4年前も(小池知事に)急に来てもらって一気に変わったという雰囲気はあった」

4年前の都議選で、都民ファーストの会を圧勝に導いた小池知事。今回も小池知事の動きが選挙戦を左右すると注目されていました。しかし、告示日の3日前に過度の疲労で入院。選挙応援についても語らないまま静養に入りました。

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実は、この間、都議選への対応をめぐって水面下で自民党と激しい駆け引きがおこなわれていました。

──今回、自民公明が過半数をとれば小池知事は行き詰まる。(自民党議員)

──選挙後の都議会運営に協力する条件として、都民ファーストの候補だけを応援することはないよう伝えてある。(自民党関係者)

小池知事の動きを封じる“布石”をうっていた自民党。その自民党にとって、今回、負けらない闘いのひとつが千代田区です。1議席を自民党と都民ファーストの会が争う事実上の一騎打ちです。

都民ファーストの会は女優・平愛梨さんの弟、平慶翔氏が立候補。応援にはこの人も……

義理の兄・長友佑都選手「皆さんこんにちは。サッカーをやっています、長友佑都と申します。これ本当に家族だからとかじゃなくて、こんなに誠実で、実直で、人のために一生懸命行動ができる人はいません」

対する自民党は、元区議の内田直之候補。“都議会のドン”と呼ばれた内田茂氏の娘婿です。コロナ対策を担う西村大臣も、公務の合間をぬって応援にかけつけました。

西村経済再生担当相「この千代田区は東京のど真ん中です。まさに自民・公明が推す、私たち与党の象徴的な候補であります」

実は、千代田区は4年前の都議選で小池知事が応援に入り、都民ファーストの会の樋口氏が当選。その樋口氏が今年1月に区長選に出馬した際も、小池知事が最終盤にサプライズで応援に入り、自民党が推す候補をやぶりました。

自民党にとっては小池知事に何度も“苦い思い”をさせられてきた“因縁の地”なのです。

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先月29日、内田候補の事務所に、自民党・二階幹事長が自ら足を運び激励しました。この頃、自民党内からはこんな声も……

──小池知事の静養は、ベストな策だった。二階さんにも顔を立てたし、同情も出ている。街頭もしないで済む。(自民党幹部)

今回、小池知事は、動かないだろうとの見方が広がる中、選挙戦終盤の2日(金)、公務復帰後の会見で小池知事は……

東京都・小池知事「どこかでばたっと倒れてるかもしれませんが、それも本望だと思ってやり抜いていきたい」

「倒れても本望」と繰り返し、コロナ対策に全力を傾け都民の命を守ると訴えました。

そして、その翌日、動いた小池知事。平候補と手をつなぎグータッチ。

都民ファーストの会・平慶翔候補「小池知事とともに千代田区から東京を前進させていく」

応援演説はしませんでしたが、候補者と並んで有権者の声援にこたえました。

都民ファーストの会によりますと、この日、16の選挙区をまわったという小池知事。最終盤の電撃訪問で存在感をアピールした形です。