“要請”相次ぎ撤回 菅首相が陳謝も…
酒の提供停止に応じない飲食店をめぐり、金融機関や酒の販売業者への要請を相次いで撤回した政府。14日、菅首相が陳謝しました。野党は、西村経済再生相の辞任を求めるととともに、菅首相の責任についても追及を強めています。
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立憲民主党 安住国対委員長
「こういう人が、我が国のコロナ対策の司令塔にいることはふさわしくはない」
野党がこう批判したのは西村経済再生相。
西村経済再生相
「深く反省をしております。申し訳なく思っております」
14日、国会で改めて陳謝しましたが…
立憲民主党 今井雅人議員
「こんなものを出してしまった責任は重いですよ。やはり、大臣を辞任された方がいいと思いますが、いかがですか」
西村経済再生相
「コロナの感染を何としても今回抑えていく。そのために全力を挙げることで、責任を果たしていきたいと考えております」
さらに野党は、一連の要請について閣僚会議の場で菅首相も説明を受けていた事について…
立憲民主党 今井雅人議員
「その場(閣僚会議)で、みなさんが了解したんですよ。だからこれは個人的な問題じゃなくて、政府が責任を持って出しているものでありますから。これは菅総理の責任は非常に重いと思いますよ」
西村経済再生相
「具体的な要請の内容につきましては、私の責任でコロナ室が関係省庁と調整をして、決定をしたというものでございます」
西村経済再生相だけでなく、政権全体の問題だとする野党。これについて菅首相は陳謝しました。
菅首相
「多くの皆さま方に大変ご迷惑をおかけしたことにつきまして、私からもおわび申し上げたい、このように思います」
その上で、具体的な内容は把握していなかったと強調しました。
菅首相
「先週の事務方の説明の中で言及されてるということでありますけれども、要請の具体的な内容について議論したことはありません」
こうした中、野党が14日、新たに問題視したのが、都の給付金を受け取る酒類の販売業者に対し、要請を守らない飲食店とは取引しないという誓約書を出すよう求めている事についてです。
国民民主党 山尾志桜里議員
「要するに取引停止を誓約しなければ、お金出さないということで、極めて強権的で実効的な、踏み絵のような評価もされてもおかしくない。当然撤回されるべきだと思いますが、大臣、東京都で今こういう運用になっていることはまずご存じでしたか」
西村経済再生相
「具体的にいま、この誓約書というものを、私、東京都のバージョンを初めて見ましたので」
コロナ対策室の担当者は…
内閣官房 奈尾内閣審議官
「酒類販売業者に対して、飲食店が要請に応じていないことを把握した場合には、取引を行わないように努めると、そういった書面提出を求めるよう取り組みを依頼したものでございます」
内閣官房は、6月に各都道府県にこうした要請をしたと認めた上で、撤回する事も含めて対応を検討しているとしています。