あす 首都圏3県など“宣言”発出へ
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は30日、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県などについて、緊急事態宣言の発出を決定する方向で検討を進めています。
これまでのような緊急事態宣言の効果がみられない中、政府が国民に対しどのようなメッセージを打ち出し、対策に実効性を持たせることができるのかが焦点です。
菅首相は、29日午後5時から関係閣僚と協議する予定で、首都圏3県に加えて、大阪への緊急事態宣言の発出や、北海道へのまん延防止等重点措置の適用などを議論することにしています。
こうした中、政府分科会の尾身会長が政府に求めたのは、国民に対する強いメッセージです。尾身会長は国会で「今の最大の危機は、国民に危機感が共有されてないことだ」と訴えました。
政府分科会・尾身会長「この時期を私は逃さないで、今まで以上に明確な、しっかりした強いメッセージを出していただければと思います」
菅首相はこの間ワクチン接種の効果を強調し、東京オリンピックについて「人流が減っているので心配はない」などと説明しました。
これに対し、専門家からは「首相は幅広く危機意識をもって発信して欲しい」と声があがっているほか、野党も「首相が楽観的な見通しを示しているので、国民が楽観的に流れるのは当たり前だ」と批判しています。
また、政府が打ち出す対策にどれだけ実効性を持たせるかも課題です。
加藤官房長官は、酒類の提供停止や時短営業に応じない都内の飲食店は数千店舗にのぼることを明らかにしました。
自民党幹部も「今の対策を守ってもらっていないから感染者が増えている」と指摘。首相周辺は「とにかく飲食店の見回りを徹底してもらうしかない」と話していて、政府内には手詰まり感が漂っています。