菅首相、突然の退陣表明 “総裁選”は…
突然の退陣表明、となりました。菅首相が、9月に行われる自民党総裁選には立候補せず、事実上、退陣する考えを発表しました。こうした中、河野ワクチン担当相が立候補する意向を固めたことが分かりました。
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9月3日午前8時半。いつものように官邸に入った菅首相。
記者
「総理おはようございます」
菅首相
「おはようございます」
菅首相は来週月曜日(9月6日)に二階幹事長の交代を含む自民党の役員人事を行う方針で、午前11時半すぎから行われた臨時の役員会などで一任をとりつけるとみられていました。
ところが、その役員会で9月に行われる自民党の総裁選に立候補せず、役員人事もしないことを表明したのです。
3日朝、菅首相から立候補断念を聞いたという二階幹事長。
自民党 二階幹事長
「正直、びっくりしております」
“菅首相が総裁選に立候補しない”。この一報は昼時の日本列島を駆け巡りました。
総裁選に立候補しないという事は内閣総理大臣の座からも降りることになります。
なぜ決断したのでしょうか?
菅首相(3日午後1時すぎ)
「私自身、新型コロナ対策に専念をしたい、そういう思いの中で自民党総裁選挙には出馬をしない、こうしたことを申し上げました。コロナ対策と選挙活動、こうしたことを考えたときに、実際莫大(ばくだい)なエネルギーが必要でありました。そういう中で、やはり両立はできない、どちらかに選択すべきである、この感染拡大を防止するために私は専念をしたい、そういう判断をいたしました」
新型コロナ対策に専念するためと説明した菅首相ですが、背景には支持率の低迷で党内の求心力を失ったことがあります。
菅首相
「また来週にでも改めて記者会見をしたい、このように思います。 以上です」
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去年の総裁選では多くの派閥の支持を得て圧勝した菅首相。しかし、新型コロナへの対応などで内閣の支持率が大幅に低下するなど情勢が一変。
各派閥の若手議員から、衆院選では新しい顔で戦うべきだという声が噴出し、総裁選についても、派閥の領袖(りょうしゅう)が菅首相の支持で一本化することができない状態でした。
自民党内で日増しに強まっていった菅首相に対する逆風。
政府関係者によると、2日に菅首相と官邸で会談した小泉環境相も菅首相に対し、自民党のために総裁選に立候補しないことを強く求めていたということです。
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党内の圧力によって立候補の断念に追い込まれた菅首相。総裁選は9月17日告示29日投開票の日程で行われます。
これまでに岸田前政調会長が立候補を表明。高市前総務相が意欲を示していますが、こうした構図も大きく変わることが予想されます。
菅首相の立候補断念を商店街の視察に向かう途中で知ったという岸田氏。
藤井キャスター
「岸田さんにとってはこれは追い風なのか?」
自民党 岸田前政調会長
「おそらくこれからいろんな動きもあるんだと思います。いろんな方が出てくることも想定されます。どなたが相手であっても、私が向き合うのは国民、党員の皆さまであり、発信するメッセージ、これは国民、党の皆さんに向けてのメッセージである」
今後の動向が注目されているのが、世論の人気が高い河野ワクチン担当相と石破元幹事長です。
3日午後、河野氏は派閥の会長である麻生副総理と面会し、立候補の意向を伝えました。
河野ワクチン担当相(3日午後5時20分ごろ)
「菅総理不出馬という総裁選挙でございますから、私自身どうするか、先輩あるいは仲間の議員とじっくり相談をし、また、関係のみなさんといろいろ相談をしながら決めてまいりたい」
そして、「news every.」に出演した石破元幹事長は…
自民党 石破元幹事長(3日午後4時すぎ)
「全く局面が変わったわけで、さあどうするかっていうのは、本当によく考えます」
石破派内からは立候補を求める声があがっています。