政府は、緊急事態宣言などを今月３０日の期限をもって全面解除することを正式決定しました。菅首相は、次の感染の波に備えつつ、感染対策と日常生活を両立させていく方針を示しました。

菅首相「今後はウイルスの存在を前提とし、社会全体の対応力を高め、次の波に備えながら感染対策と日常生活を両立していくことが重要です」

菅首相は「都道府県と医療機関が協議し、いざという時にすぐに活用できる病床や人員を確保できるようにする」と述べ、医療体制の整備をもう一段進める考えを示しました。また、３回目のワクチン接種を年内にも始める方針を明らかにしました。

そして、厚生労働省については「予算も仕事量もあまりに巨大になり過ぎた」と指摘し、「最終的に組織全体の分割見直しは避けて通れない」と述べました。一方、総理大臣として最後の会見で、菅首相は率直な心持ちを明かしました。

菅首相「ワクチンと治療薬にメドがつきつつある中で、新型コロナとの長い闘いにも『はっきりとした灯りが見えてきている』と申し上げました。この言葉には数々のご批判もありましたが、今や効果は明らかであり、灯りは日々輝きを増している、このように実感しております」

また、官房長官と総理大臣の違いをきかれて「最終決定者であるかないかだ。極めて重いものがある」「そうした権限を行使する総理大臣として、健康でなければダメだし、色んな条件に耐えられることが必要だ」と述べました。