岸田首相がアフリカ歴訪 成果と課題は ≪記者リポート≫
岸田首相は、G7広島サミットを前にアフリカ4か国を歴訪し、力による現状変更は許されないとの認識で一致し、連携を確認しました。訪問の成果と課題について、同行している江口友起記者のリポートです。
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今回のアフリカ歴訪の目的は、ロシアがウクライナに侵攻し、中国が軍事力を増強する中で、G7議長国としてグローバルサウスと呼ばれる新興・途上国とも連携を確認することでした。
岸田首相は、一連の首脳会談で「力による一方的な現状変更は許されない」との認識を共有できたと成果を強調しました。
岸田首相「こうした外交的取り組みの先にこそ、国際社会の平和と安定、そして我が国の安全と繁栄を一層進めることができると信じています。今回もG7での良い議論につながる、意義のある訪問になった」
ただ、アフリカにはロシアと関係が深い国が多く、実際、モザンビークは、ロシアを名指しして批判することはありませんでした。
日本をはじめとするG7とロシアや中国との間で揺れ動くグローバルサウスをどう取り込んでいくのか。ある政府関係者は、「1回、会談したから急にどちらの立場になるという話ではない」と、外交の難しさを指摘します。
力による現状変更は許されないという価値観を、国際社会でどう広げ、定着させていくか。粘り強く働きかけを続けていくことが求められています。