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2022年2月7日 23:29

「経済安全保障推進法案」の原案判明 重要物資の安定供給など4分野

政府が、この通常国会の重要法案のひとつと位置付ける「経済安全保障推進法案」の原案が判明しました。法案は、重要物資の安定供給など4つの分野に分かれていて、規定に違反した場合の罰則も設けられています。

「経済安全保障」政策とは、軍事的な面だけでなく、経済的な面での国同士の対立などに対応し、国を守るための政策です。

(1)重要物資の安定的な供給の確保に関する制度

1つめの分野は、半導体や医薬品など重要物資の安定供給に関するものです。

政府の原案では、国民の生存に必要不可欠な物資や、そのもととなる部品、原材料、プログラムなどを「特定重要物資」として指定し、取り扱う事業者に供給を確保するための計画を作成するように求めています。

政府は、当該の事業者に助成金を出すなどの支援を行い、重要物資の安定的な供給を目指します。

また、特に対策が必要と判断した場合には、国が主導して物資を備蓄したり、国民に対して使用を控えるよう働きかけたりすることができるとしています。

(2)基幹インフラの安定的な提供の確保に関する制度

2つめの分野は、電気やガス、水道など、社会を支えるインフラについてのものです。

原案では、電気、ガス、石油、水道、鉄道、貨物、海運、航空、空港、情報通信、放送、郵便、金融、クレジットカードの、14の分野のうち、その機能が停止した場合に国民への影響が大きい事業者を国が指定します。

指定された事業者は、新たに重要な設備を導入する場合には、国に対して事前に設備の導入に関する計画書を出すことが求められます。

国は、計画書を審査し、必要な場合には、計画書の内容の変更や、設備の導入中止を勧告・命令することができます。

事業者が、計画書を提出しなかったり、虚偽の内容を報告した場合には、最大で2年以下の懲役、または100万円以下の罰金、またはその両方が科せられることになります。

(3)先端的な重要技術の開発支援に関する制度

3つめの分野は、最先端技術の開発を支援するためのものです。

原案では、将来的に、国民の生活や経済にとって重要なものとなりうる先端技術を開発・促進するため、国と研究者が「協議会」を設置して、情報提供や、資金の確保、人材の育成などを行うとしています。

協議会に参加する人には、研究内容に対しての守秘義務が課されることとなります。

また、国が重要な技術の調査・研究を外部の研究機関などに委託して、“シンクタンク”を設けることも盛りこまれています。

(4)特許出願の非公開に関する制度

4つめの分野は、これまで原則非公開とされてきた特許の内容を一部非公開とするものです。

原案では、出願された特許の中で特許庁が、国民の安全を損なうおそれが大きいと判断したものを内閣府に送付することとしています。

内閣府は改めて審査を行って、内容を非公開とすべきと判断した場合には、特許を「保全指定」して、情報開示を禁止したり、特許を使って発明を行うことを制限することができます。

また、同じ特許を外国に出願することも制限します。

一方で、特許が非公開となったことで経済的に損失が生じた場合には、国が損失を補償することとしています。

この法案は、今後、自民・公明の与党との協議を経て、2月下旬にも国会に提出される予定です。